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記憶に残ること

昔読んだ絵本で、
今でも覚えてるものがある。
 
同じように、
昔住んでいた場所とか、
旅行で初めて行った場所のことも
頭の中に独特な「感じ」として
沈殿物のように
溜まっている気がする。
 
それが、ふとした拍子に
スノードームのように思い出されて、
懐かしいなと思う。
 
タマゴ埋める160
 
けれど最近は、
ずっと記憶に残るような
濃い時間を育むことがあまりない。
 
ガラスを何枚か隔てて過ごすような
うすぼんやりした感覚。
 

 
こないだジブリ美術館の
短編アニメを見た時、
不思議なかんじがしました。
 
見終わったあとに、妙に映画の
細々したところを覚えていたのです。
ありありと頭の中で
景色を再現することができた。
 
自分にとって、新鮮で面白いと
思ったものは、しっかりと記憶に
刻み込まれるものなんだな、
と思いました。
 
繰り返すようだけど、
今では無感動で鮮烈に記憶に
残るようなものは少ない。
 
でも子供の頃はたぶん、
ジブリの短編映画をみた時の
ように、いろんなことが
どんどん頭に焼き付いていった。
体験と想像がアクロバットして
個人的な世界が
立ち上がってたのだろうな。
 

 
子供の数分の経験は
大人での数年間分に等しい、
とよく言われるのは
こういうことかもしれない。
 
今ゆっくりと進行している
補集合の本のリニューアルも
記憶に残るような、
濃い読書時間となる本になれば、
と思っています。
 

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