言ってないけど、言ったつもり?
子どもが言葉を覚え始めると、
時々変な使い方をするっていう話を
見たり読んだり聞いたりする。
たとえば、
お金の値段は「高い、安い」
というから
ビルの高さも「高い、安い」
という言い方になったり。
「〇〇さん」って人の名前の後に
付けるものだから、
「富士山」も人の名前だと思ったり。
「ウルトラマン」を好きな子が
パパの職業を聞いて
「パパってサラリーマンなの!
ウルトラマンのともだち?」
と言ったり。
こういうのって、
実は、そう言う子どもたちが
変なのではなくて、
大人の方が特殊な変格活用を
使っているんだと思うんです。
つまり、大人の方が変だよ、と。
思ってみる。
*
上記の例でいえば、
子どもは、ちゃんとある事象から
ルール化して考えている。
お金は「高い安い」なのに、
どうしてビルの高さは「高い低い」なの?
と聞かれても、大人は説明ができない。
子どもの方って、
ことばの受け止め方が
とってもストレートなんだ。
*
大人にしてみると、
「文字通り」っていうのが、
通用しなくなる。
こんな例がある。
twitter
#字義通り捉えあるある より。
●「お皿洗っておいて。」と
子どもに言ったら、
器用にお皿だけ洗って戻って来る。
コップや、おはしはどうした…、みたいな。
特に日本語って、主語や述語が
なくても会話が通じることがある。
言葉にしたことだけが
意味ではない、という
暗黙の了解ならぬ、暗黙の推測がある。
●他にも…、
母「お風呂みてきて」
子ども、お風呂とリビング往復
母「どうだった?湧いてた?」
子「見たけど、わかんなかった」
●「お手洗いお借りしますね」と
トイレに行ったのをみて、
小学生の女の子は
「手を洗うのにどうしてトイレにいくの?」
●自転車が片づけられず
グズグズしてたら「頭を使え!」
と言われ、
頭でサドルを押しました。
●お店に置いてあるアンケート箱
『お客様のお声をお聞かせください』
「(箱に向かって)あー!」
●『なにをしてるのよ!』と怒ったら
『ママに怒られてるけど?』と言われた。
いや、そういうことじゃなくてね。
たしかにそうなんだけどね
*
自分たちの「ふつう」をちょっと
疑いながら、面白がってみる。
大人は、言葉にしていないことも
伝えようとしている、
実はなんかややこしい。
上記の例を見ると、
子どもから大人に対して、
「でも、それって、言ってないじゃん。」
って言えるのが皮肉で面白いし、
どれだけ自分の伝えたいことを
言葉にして「いない」のか、
考えるきっかけになりそうだな。
なんでもない、と思っていたことを、
「実は変じゃん」と思えることが、
面白さのはじまりのような
気がしています。
2019/05/14