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解消法としてのフィクション

本屋にいくと、
だいたい絵本のコーナーに
立ち寄ってしまう。
 
なるべく品揃えの多い大型書店に
行ってゆっくりと本を眺めるのが
最近のブーム。
 
都心の本屋にはなんでもある、
という思い込みがあったが、
そうでもない。
 
十数年前に出版されて
あまり増刷されなかったのか、
都心の大型書店ではどこも
「在庫無し」なのが、
案外、郊外の本屋にあったりする。
 
大判の本と本の間のかげに
隠れているのを見つけたときは
とてもうれしい。
 
ぼくに買われるのを待って
ずっとそこに隠れてたんだね!
などと勝手に妄想する。
 
絵本の長め143
 
興味はあるものの
あまり近づきたくない棚もある。
 
それは、デザイン本のコーナー。
なぜだか分からなかったけど
最近、こういう事ではないか、
と思った。
 
絵本や映画は
リアルな現実に対して
別の世界を虚構する。
なかなか外に出すことができない
鬱屈とした心を、思う存分に
解放できる場所として。
 
それとは逆に、現実に適応させて、
場合によって実用化などして
リアルな現実に寄与するのが
デザインであるのだ、と思った。
 
正直なところ、
デザインの力では
どうにもならない気持ちの問題が
あるように思う時がある。
 
それが絵本の世界では
根本的な解消に繋がるように
思えることがたびたびある。
 

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