見たい言葉、咲く言葉
さいきん出会った、効く言葉。
その1、
決まったら夏へ旅立て
魔法瓶には鮮らしいことばを詰めて
(杉崎恒夫)
*
「鮮」の送りがなに「らしい」が
つくって…、ん?と思う。
辞書で調べてみると、
これで「あたらしい」と読むらしい。
漢字のポテンシャルによろこびながら、
「鮮」という字が
「あざやか」でいて、「真新しい」という
ダブルミーニングとして重なっていく。
じつは、どんなときでも、
人は言葉をさがしているものだと
思います。
見たい(あるいは見たくない)言葉を
無自覚な自分が呼び寄せている。
そんなわけで…
決まる、夏、旅立ち、
魔法、あたらしい、あざやか、ことば
と、単語だけ抜き出しても、
うれしさは消えません。
*
その2
伝わらないことが、
たくさんあって、ほんとによかった。
伝えにくい荒野の面積が
広大であることは、たぶん、希望だ。
(糸井重里)
作品を作るというのは、けっこう
メンタルが重要なのだと思っているのですが、
ここだ!という「躁な瞬間」をとらえるのが
ほんとうに大事で、それでいて
なかなかタイミングが測れない。
だから、こういう言葉と出会って、
観葉植物みたいに、ふと目を離したすきに、
ぱっと花が開いていた。
みたいなことに期待したりもします。
*
ちょっと前まで、
毎日作文習慣をしていましたが、
優先するべき項目ができたので、
作文の時間を
そちらに充てることにしました。
書きたいときに、
好きなように書く、
というモードにふたたび戻します。
2021/08/21