苦しさの理解
体調をくずした時の辛さ、とか、
対人関係がぎくしゃくしたときの
気まずさ、とか、
マラソン選手のラストスパートとか。
実際に自分がなってみないと
分からない苦しさっていうのが
あると思います。
テレビとか人づてとか本なんかで
苦しそうな人がいても、
当人が感じているだろう「キツさ」は
なかなか伝わりにくい。
そのことをよく思うのは、
物語や小説を読んでいる時。
(一概には言えないけれど)
本の中では良いこと悪いことの
浮き沈みがありながらも、
全体を通して心地よい居場所感があり、
少なからず憧れる気分になっていきます。
大雑把にたとえると、
田舎生活に憧れる都会っ子、
みたいな。
傍観している分にはとても豊かで
ミステリアスでもあり、
幸せそうに見えてしまう。
だけど、実際に自分がそこに行って
住んでみたら、きっと予想以上の
キツさが分かる、
という気がするのです。
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本を読むというのは、
最終的に自分の頭の解釈に頼るので、
どうも都合のいいように考えたり、
感じたりしてしまうことが多い。
頭でっかちになっているのではないか、
と思ったりもします。
仮に、「たくさんお酒を飲まされて、
気を失いそうになって、
気持ち悪くて嘔吐が止まらない…」
という文章を読んでも、以前までは
可哀想に、と思うに留まっていた。
実際にとてもキツーイ二日酔いに
なったときに、突然その真意が
頭の中に降ってきて、
それが予想以上の苦しさだったのが、
とてもショックだったのでした。
何かを理解しようとする上では、
「苦しさ」に対して一番想像力を
働かせるべきなのだと思いました。
2013/01/29