花火の形
頭の中にある思い出とか記憶は、
脳細胞(よく分からない)の電気信号が
いろんな風に連結して、
ぱっと光るのだと
聞いた事があります。
打ちあがった花火が
空の暗闇でいろんな図形となって
ぱっぱと花開く、
というところを想像してしまう。
自分がこれまで体験してきたことって
大方を忘れている状態なんですが、
ふとした拍子に、
以前に体験した形と、類似した形が
ぱぱぱっと連鎖することが
あります。
それをぼくは、本を読んでいる時に
よく起こるなと思います。
きっと脳内では
無限と言ってもいいほど
ものすごい量の図形がかがやく。
でも、一回きりのものもほとんどで、
それは二度と記憶に蘇って来ないかも
しれません。
だから、読書中に過去のパターンと
似た花火に出会うと
懐かしくてうれしくて、
これは自分のことだ、と
ついつい思ったり。
*
なんとなく、読む本にも
自分なりのクセのようなものが
生まれてくると、
何度も同じ光の形と出会うこととなる。
何度も何度も同じ光り方をしていると
その電気信号の通り道が太くなるのか、
強くなるのか、
もう、本を読まないでも
そういう気分でいることができる。
そうやって自分の性格が
作られているのかも、と思ったり。。
*
最近、重松清の「ロングロングアゴー」を
友人にすすめられて読んでましたが、
分かる分かる!こういうことあるある!
という気分で、まさに本の中で
記憶の花火がぱちぱちと光ったようでした。
忘れていたら、もったいない、という
思い出がいくつも見つかった気分でした。
2013/12/15