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自分のことが他人のこと

大学生の頃に作った作品はどれも
いま直視できないくらい恥ずかしい。
 
下手だという以上に、持っている感情が
見境なくこぼれてしまっている感。
正直で素直な人ほど、
恥ずかしいものをつくってしまう。と、
言い訳がわりに、そう思うように
しています。
 
分かり易くいうと、作品のなかに
出てきたものが「これがぼくです」と
言っているのです。
 
なんだか作るのに夢中になって、
周りが見えてなかったのだろう。
 
あまり思い出したくない過去だなあ。
 
月夜の花火129
 
星野源の「未来」という曲を、
最近くり返して聞いてしまうのだけど、
聞きながら、これは自分のことのようだ、
と思えてくる。
 
そこで、お!と思いました。
この曲すごいところはそこだなと。
 
自分で作ったものが、
ちゃんと他の人と共有されている。
だから、この歌は星野源のことでもあるし、
ぼくのことでもあるなあと自然に思える。
 
自分で作ったものが、
他人と共有されなかったら、
さっきの「これがぼくです」現象が起こる。
単なる自己主張のおしつけというか。
見た人は、ちょっと距離をとってしまう。
 

 
作品を作って、ぼくはこういう人間です、
ということを言うつもりはもう全くなくて、
それを素材に、誰かが面白がったり、
うまいこと使えたりできるように、
つじつま合わせを考えるというような
気がしています。
 
自分の経験上、こう思うんだけど、
これってあなたもそうでしょう。
みたいなこと。
 
これを見つけるのがうまい人に憧れます。

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