自分のことが他人のこと
大学生の頃に作った作品はどれも
いま直視できないくらい恥ずかしい。
下手だという以上に、持っている感情が
見境なくこぼれてしまっている感。
正直で素直な人ほど、
恥ずかしいものをつくってしまう。と、
言い訳がわりに、そう思うように
しています。
分かり易くいうと、作品のなかに
出てきたものが「これがぼくです」と
言っているのです。
なんだか作るのに夢中になって、
周りが見えてなかったのだろう。
あまり思い出したくない過去だなあ。
星野源の「未来」という曲を、
最近くり返して聞いてしまうのだけど、
聞きながら、これは自分のことのようだ、
と思えてくる。
そこで、お!と思いました。
この曲すごいところはそこだなと。
自分で作ったものが、
ちゃんと他の人と共有されている。
だから、この歌は星野源のことでもあるし、
ぼくのことでもあるなあと自然に思える。
自分で作ったものが、
他人と共有されなかったら、
さっきの「これがぼくです」現象が起こる。
単なる自己主張のおしつけというか。
見た人は、ちょっと距離をとってしまう。
*
作品を作って、ぼくはこういう人間です、
ということを言うつもりはもう全くなくて、
それを素材に、誰かが面白がったり、
うまいこと使えたりできるように、
つじつま合わせを考えるというような
気がしています。
自分の経験上、こう思うんだけど、
これってあなたもそうでしょう。
みたいなこと。
これを見つけるのがうまい人に憧れます。
2014/03/19