男の子の願い事
本屋に行ったら、岩波の子どもの本の
新刊が出ていました。
センダック&ジョスリンの
『そんなときどうする?』。
読んでいたら、愕然としてしまった。
自分が求めていた理想像に
ほぼ近い状態がそこにあったのです。
めまいを起しそうになる。
ど、どうしてぼくはこれに
こんなにときめいてしまうのだろう。
ちょっと待てよ、
最近ほかにも、ときめいてしまった
本があったなあ、と思い出す。
なにか共通項があるかもしれないので、
書き出しておこう。
ときめき①
ポリー・ダンバー作/絵
『あお』
青色が好きな男の子が、
青色の犬がほしくて、
「青色の犬を飼っているごっこをしよう」
と言っているシーン。
(台詞はうるおぼえ)
ときめき②
ジョン・バーニンガム作/絵
『いぬ』
「ぼくんじゃないけど
このいぬは ともだち」
「きょういちんち
ぼくが せわを してあげるの」
「ねこの ごはんを たべて」
…
男の子は猫のごはんをたべている
犬をうれしそうに眺めている。
ときめき③
『そんなときどうする?』
「きみは ロビンフッドの なかまで
シャーウッドの もりで ほんを
よんでいる。
そこへ、ノッチンガムの ぐんちょうが
やってきて、
「おたのしみのところ
もうしわけないが、
きみを ろうやへ つれて
いかねばならん」と いう。
そんなとき どうする?」
…(ページをめくると)
「どこまで よんだか わかるように
ほんに しおりを はさみましょう。」
男の子は馬のしっぽをしおりにして
すまし顔で軍長についていく。
*
なんていうか、常識的なことを突き抜けて
ひとりの男の子の真理的な願望が、
端的に、かつ精密に表現されている
ってかんじかな。
2013/09/26