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汚れを眺める快感

自分で部屋を借りてくらしていると、
掃除をたのしいと思うようになった。
 
下手すれば、掃除は趣味と呼べる。
ストレス解消効果があると思う。
 
というのも、汚いものはきらいだが、
捕われた汚れを見るのは
大好きだからである。
 
床に墜落し、ソファー下などに転がり
増幅した妖怪煤落を、ホウキで
さっと集めると、
想像以上の煤(すす)の山ができる。
 
その山が大きければ大きいほど、
この部屋がすっきりとしたイメージが
癒しの快さとして胸に去来するのである。
 
汗をかいた夏の日に、
スッとするウエットシートで
首周りをなでると、目に見えて
体のくすみがとれるのが分かる。
とれたとれたと嬉しくなる。
という原理と似ている。
取れた!という手応えが
直感的に分かる瞬間。
 
キッチンのシンクに
ふきんやスポンジ、まな板をおいて
熱湯を流し込む様も、気持ちがすっとする。
 
もうもうと湯気がたっているさなかにも
目に見えない細菌?よごれ?が
ぱちぱちとはじけ、とけている
(ような気がする)様をみつめるのが良い。
 
さらにあとで洗い流した後に、
どことなく、凛とした顔つきになる
ふきんや、スポンジやまな板と
みつめ合う時間が好きだ。
 

 
年が明けてから、この作文を書く時間を
とらないで別のことをしていたが、
日々の習慣か、なにか気がつく所が
あれば、メモを取っていた。
 
よし、これをこの作文に書こう、
とするのだけど、
いざ書こうとすると
気持ちの賞味期限がすぐ切れて
しまって、新鮮な面白さが揮発し
キーボードを叩く指が進まない。
 
というわけで、いまぼくのメモ帳及び、
頭の中に、老廃物質としてのネタが
蓄積されてきている。
 
いったんどこかで吐き出さなくては。
吐き出したものは、吐き出したものが
すばらしいのではなくて、
吐き出したんだ、という様が
快いのである。
という心構えで書いていこう。

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