棚の上の自分
最近、家に子猫をお迎えしまして。
今まで考えもしなかったことに
注意を向けるようになりました。
いくつかあるのですが、
今日書くのはカロリーのこと。
*
子猫にあげるごはんの量っていうのが
ある程度決まっていて
家に迎えるまでの施設では一日2回、
その一回の内訳がドライフード20g、
ウェットフード10g。
はじめはその通りあげていたのですが
あっという間に食べてしまって、
残ったお皿がぴかぴかになるまで
もの惜しげに舐めていたので
もしや足りないのでは?
と思ってネットで調べてみました。
すると生後2~3か月の子猫は、
体重×200kcalが目安とのこと。
うちの子は1.3キロなので、
一日に260kcalくらいがちょうどいい
ということがわかりまして。
いま与えているご飯のカロリーから
計算すると、一日に70gが必要でした。
今までは60gだったので
あ、やっぱりちょっとだけ
足りなかったのかな、と
もう少し増やしてみることにしました。
*
そこで気が付いたのですが、こんなに
ちゃんと食事のカロリー計算するのって
生まれて初めてかも…と。
しかも自分のではなくて、子猫のための。
ほんとうは自分にもカロリー計算が
必要なのかもしれないのにな。
他人のことなら平気で考えるのに
「もし自分だったら」という
考えがすっぽり抜けていて、
そっかー、
自分のことって棚に上げがちだよなあと
ぼんやり考えながら
子猫がぱくぱく食べている様子をみていました。
*
自分を棚に上げるって結果として
悪いことばかりではないと思うけど、
なにかを見逃しているようで
ぼくはちょっと残念だなと思えてしまうんです。
自分を棚に上げるというのは、
「もし自分がされる立場なら…」という思考が
抜けてる、ということだと思うからです。
*
たとえば人にアドバイスするときも、
人にしたアドバイスをそのまま自分自身が
実行できるか、と思うと冷や汗がでます。
自分にはできないけど、
あなたならできそうな気がするという、
相手のことと自分の立場とを
しっかり考慮した上ならいいんですけどね。
*
他にも子どもたちへのワークショップの
内容や順序を考えるときも、
こちらの「やらせたい」「伝えたい」
意図だけが先行して、
子供たちの反応を想像したり、
一人ひとりなにが好きな子なのかを
考慮しなくなっている疑惑があります。
つまり「もし自分が子どもだったら」の
思考回路がぷつんといってしまっている。
伝わるために、どうしたらいいか、という
「工夫」を知らぬまに怠ってしまう。
自分を棚に上げることは、
じつは自分のエゴがむきだしになっている
ということなのかもしれません。
*
こんど展示をしようと思っているんですが、
展示にしたってそうなんです。
展示をするときって、つい
自分がお客さん側になるってことを
想像しないで考えちゃいます。
つまり、自分を棚にあげて、
「みんな見に来て!」と。
「展示をする側」の気持ちとしては
自分の作品を見てほしい、
作ったグッズなんかを買ってほしい
ということなんだけど。
「お客さん」にしたら
なんであなたの展示にいかなきゃ
いけないんだろう?
という立場からスタートするはず。
展示をするのは自由だけど、
お客さんはどうしてその展示に
行かないといけないのか、
その理由づくりや工夫をおろそかにしている
のかもしれない。
*
これらは全部じぶん自身のいましめとして
反省していこうと思います…。
ふと我に返ると、子猫はとなりで
すやすや眠っていました。
2022/07/12