東京の大和です
生まれた地名や、出身の学校のことを
なんかダサイなと思うことがあります。
たかが知れている自分の周りにゃ、
大したものなぞあるはずがない、
という気持ちを
ずっと抱えてきたような気がします。
京都生まれ、とか
浅草のあたりで育ったとか、
麻布十番に住んでます、とか。
いや、分かんないけど、
そういう人たちはなんだか
すごいなあとぼんやり思う。
わたしの生まれた場所は
東大和市というところでして、
特にこれといった特徴のない
無名の市でございます。
あなたはどこ出身?
と聞かれて「東大和」です。というと
「あ、神奈川の方だ」と言われてしまう。
失礼ですが、それ
大和市のことじゃあありませんか、
わたしくは東京の大和市、
つまり東大和市でございます。
といちいち説明を要する。
あまり好きになれなかった
自分の故郷ですが、
ある時から、自転車に乗って
歩き回ることが多くなった。
市街地に近かった家から、
郊外にある多摩湖という貯水池の
ふもとに越してから、
狭山丘陵という東大和と所沢の
中間くらいのところにぽつんとある
大きな緑地帯にちょっと魅力を
感じ始めたのでしょう。
西武遊園地があり、西武ドームがあり、
多摩湖があり、狭山湖があり、
八国山があり、荒幡富士があり
うーん、ほとんどが所沢だけど、
近くにこんなにすばらしいスポットが
あるなんて、と一時期は
取り憑かれたように隈無く歩き回った。
自分の好きな人もこの辺りに
住んでいるらしいことを知って、
どんどん土地に対して
敬いの念を持つようになりました。
たとえば、詩人の荒川洋治、
宮崎駿、細野晴臣。
狭山丘陵の近辺に住んでいた/いる、
ようです。
自分の身近にふれる実感を
肝にすえて作りたいなと思うように
なってきています。
2013/07/22