サルンパ!
英語をよく知らないぼくは、
最近、電車の中で「日本人の英語」
という本を読んでいる。
そこに、”a”の重要性について
書いてある箇所があって、
うわーなるほどなと思ったので、
ざっくり引用します。
*
Last night,
I ate “a” chicken in the backyard.
この”a”がどんな意味をもつのか、
あなたはお分かりになるだろうか。
これを訳すと、
昨晩、裏庭で1羽のにわとりを
捕まえて食べた。
という印象なるらしい。
だが、”a”を取り去るだけで、
意味はちゃんと通じる。
昨晩、裏庭でチキンを焼いて食べた。
という印象で。
aってそんなに大事な要素だったのか。
と、目からうろこ。
他言語への理解の足らなさによる
違和感って、面白いなと思う。
*
そこで、思い浮かんだのは、
中国で作られた日本語。
中国にある変な日本語を
ネットで探して、
ジャンルに分けてみた。
●まずは「文字の類似」。
看板やレストランのメニュー、
商品タグなどに表記された変な日本語を
ピックアップしてみると…
スプーンを「スプーニ」、
ミネラルたっぷりを
「ミネうルたっぷり」、
トンカツを「トソカシ」、
スベリ止めを「フヘベリ止め」。
なるほど、たしかに!
あながち間違えじゃないよな、
と思える。
最も面白いのは、「サルンパ」。
英訳の方を見ると、cold noodle。
あ、ざるぞば(ザルソバ)…っすね。
だんだん、日本人を代表して、
ごめんなさい、という気分に
なってくる。
「文字に変なこだわりもってて、
すみません。。
ソもンも、どっちだっていいですよね、
なんとなく分かればいいんですから…」
*
●次は「文の構造の違い」。
料理店では、メニューに
日本語訳を入れてくれてる店が
あるらしい。そこに、
「香は魚を炒めて定食」
とある。
中国の文構造をもとに、
そのまま和訳したんだろう。
日本人の感性を超越した
舌ったらずさが、かわいい。
日本的になおすと、例えば
「さんまの香り揚げ定食」
みたいなものか。
他にも、「環境にやさしい材料
安心して、するようにした。」
ん?と思いつつも、
これをなんで変と思うのか、
はっきり説明ができない。
これを言い換えると、
「 安心して使えるよう
環境にやさしい材料にした」
ということなんだろうけどさ。
もう一例。
リュックサックに
「私は愛する」とプリントされている。
その下にひよこのイラストが
あるから、まあ、
「I ♡NY」みたいなことか。
意味は分かるけど、不自然なのが、
斬新で、一周回って
カッコ良くもある。
「私は愛する」の文もさりながら、
フォントもいいかげんな雰囲気。
なんだか、細かいフォントにやたらと
こだわりを持つ日本人の感覚が
良く言えば繊細、
悪く言えば国ぐるみの独りよがり
って思えてくる。
●文字が「カタコト」
以下はどれも商品パッケージの
キャッチフレーズ。
「味ぅまい、ヘルシ」
「リよラひん」
「プレヤント」
声の発音だけではない、
文字からも、カタコトの
雰囲気がとても良く表現されている。
「リよラひん」 については、
分かるようで分からない。
え?と思い文字をよーく見たところで
「リよラひん」 に変わりない。
うーん!もどかしい。
*
他にも、ハート型のかわいい軍艦巻
(具材はとびっ子か)
の和訳名が「心臓巻」。
いや、そうなんだけど!
意味は同じだけど、印象が全然違う。
日本語にはそういうことが
けっこうあるんじゃないか。
日本語が海外の人にどんなふうに
みえているか、
そんな視点が僕ら日本人には
足りないのかもしれない。
こんな紛らわしい文字や言葉を
使ってる方が悪い気さえする。
※ちなみにこの現象、
逆の立場でも同じことが
おきていることをお忘れなく。
2019/04/17