指さきで伝える気持ち
これはとても昔の話でもあるし、
今もなお変わらない部分でも
あるんだけど。
自分の身近な人にほど、
感謝を伝える、丁寧に接する、
というのが苦手。
どうしても、照れというのか、
それは他人行儀すぎるという
気持ちなのか、
たとえば、
面と向かって「ありがとう」とは
言いにくい、抵抗感がある。
「なにかをとって」
というときの、ありがとうとか、
ごはんがおいしいとか、
そういうことは言えるけど、
改まった、いわば
敷居の高い感情表現というものが
苦手。
*
しかし、人生には、一年に数回、
目の前の相手に感謝を口述する
という機会がある。
そんなとき、うっと、思う。
*
話は変わって、
牛乳にもいろいろ種類がある。
ずっと同じものを買うのではなくて、
その時の気分で、
こっちにしてみようって思う。
時期によって、いろいろな
種類の牛乳が冷蔵庫にあるのだけど、
こないだ、たまたま、
「近藤牛乳」という神奈川県藤沢の
赤いパックの牛乳を買っていた。
これがまたツッコミどころのある牛乳で、
牛がマイク?をしっぽで持っている?ような
イラストが描いているんだけど、
それはマイクではなく、牛乳瓶で、
しっぽだと思っていた細いものは、
どうやら腕らしい。
昭和9年から創設で、学校給食で
親しまれている牛乳とのこと。
*
閑話休題。
そのパッケージには
「いつもありがとう」
というメッセージがプリント
されていて、
一年に数回ある、
感謝の辞を述べるべき
タイミングにおかれ、
「うっ」となった時、
とっさに、かたわらにあった
近藤牛乳の「いつもありがとう」の文字を
ゆびさした。
これだからね。と
*
人によっては、
ちゃんと声に出して言えと
思うかもしれないけれど…
その時は、難を逃れたような雰囲気に。
気持ちはあっても
口にはしがたい、
というとき、
こういう指さしメッセージというのは、
案外役に立つのではないか、と
思った。
*
気持ちを伝える
指さしカードみたいものがあったら、
使う人はいるのだろうか。
と、妄想を始めています。
2020/07/01