愛しの地域
業務的に時間を拘束されていると、
一瞬だけ「どこかに行きたいな」
という気分がもたげてくる。
それも、はっきりと場所が
思い浮かんでくる。
ともすると、
その場所に行ってきた、という
気分ですらあったりします。
あれはなんでしょう。
凝縮された幸福な居場所感を、
瞬間的に味わっているようです。
*
逃避作用だろうかと思う。
一定時間ある場所に閉じ込められていると
頭がぼーっとしてきて、
脳波的(よく分からない)なものが
ゆるやかに下り坂を辿っていき、
次第に思考停止に陥ってしまう。
その神経系による防止策として、
脳内から快感を促す液体(あるいは
電気信号)を流し出し、
一時的に意識を上昇させようと
しているのではないか。
いずれにせよ、
どこか理想の場所に降り立った
幸福感が、瞬間的に体中に漲っていく。
それは大概、
地元の狭山丘陵のあたり。
あそこは自然がたっぷりだけど、
本格的な山や森というほどは奥深くない。
というところが親しみを持てる。
あの幸福な場所感覚は
すぐに消えてしまうのだけど
どうにかして表現に投影したい。
と強く思います。
ビアトリクス・ポターや
モーリス・センダックの絵本を
手にとって読んでいると、
似た感覚が蘇ってくる。
憧れます。
2013/01/06