形にならない話
コピーライターの安藤隆という人が
かつて書いたもので
「悲しいときに悲しいと書くだけで
人は少し息を継げる。」
という文章を読んだことがありました。
小説のように長い文章を読むのが
億劫であった学生の頃、
たった一文でも、こんなに
感銘を受ける事が出来るのだ、
と思ってうれしくなったのを
覚えています。
本当にその通りだなあ、と
思えることが快感だった。
「本当にその通りだなあ」というのは
今まで見た事も聞いた事も無い事が
なぜだか、この感覚は
ずっと前から知っている、と思えることで
単に当たり前のことを言えばいいと
いうこととは違う。
よく観察されて、よく考えられて
いるんだろうなあと思います。
たぶん、「本当にそうだなあ」と
思える事、思わせる事が
最終的に行きつく所なのでは、
と思います。
分かりたいし、分からせたい。
*
分かりたい、分からせたい、
という思いが作品を作らせる。
これまでの短い経験の中でも
「構想中の考え」というものは、
話してもほとんど伝わらない。
「まったく小難しいことを考えるね」と
突き撥ねて言われたりする。
でもいざ形になると、
「ああ、なるほどね!」と
言ってくれる人は少なくない。
頭の中のイメージというものは
言葉で説明するだけじゃ無意味で、
具体的な形にならないと稼働しないし、
役にも立たない。
*
ところで、今考えているのは、
「アニメーションすることば」。
これが頭の中でかなりすごいことに
なって来ています。
まだ頭の中にある段階なので、
期待とハードルを上げるためにも
無責任に「かなりすごい」と
言っておきます。
形になるまで詳細は秘密です。
映像的な方法と、
プロダクト(商品)として発表する、
ふたつのアプローチで
今後、進めて行きます。
二歩を合わせれば三本柱で
攻めて行きます。
2013/10/07