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左手の気持ち

徐々に寒さが和らいできて、
「ようやくだあ」という嬉しい気持ちと、
短い春がもう始まってしまうー、
という焦れる気持ちが
まざりあって、やってくる。
 
それにしても、今年も寒かった。
天井の高い(4mくらい?の)
家に住んでいるので、
暖房をつけても、
なかなか部屋が暖まらない。
 
だから、朝起きて、息が白い、
なんていう日が続いた。
 
机に向かう時は、ホットカーペットと
電気ストーブを贅沢に使うんだけど、
それでも冷たくなるのは、右手。
 
一方、左手はホットカーペットに
敷いた毛布に入れてあるから
あったかい。
 
左手はあったかいのに、
右手だけ極寒になってしまう。
 

 
右手は冷たい。
 
思えば、絵を描くときだけではない。
歯を磨くときも、
外でスマホを操作しているときも、
傘をさすときも、
いつも右手だけ、過酷な仕事だ。
 
あまつさえ、歯を磨いているときの
左手ときたら、
流しに出しっぱなしにしたお湯に
かけ流しされてあったまっている。
 
左手よ、甘やかされすぎだぞ!
もうすこし右手を見習えよ!
 
それから、右手、君も働きすぎだ!
 

 
と、けしかけてみる。
すると、
「でも、これはぼくにしか
できない仕事なんです」
と右手は健気にも主張する。
 
まるで風邪でも休めない
サラリーマンのようだ。
 
「ほかに代えがきかないんです!」
と狼狽する。
それを聞いて、ぼくは確かに。
と思った。
 
左手って、案外役に立たないよな。
という考えがよぎる。
 
かげでこっそり盗み聞きしていた
左手は絶望するに違いない。
 
「代えがきかない!?」
「同じ手でありながら、
代えがきかないって…。
オレっていったい…」
左手の気持ちの複雑さといったらない。
 

 
でも、思う。
利き手にできることと、
利き手じゃないからこそ、
利き手に難しいことができることが
左手にはあるはずだ。
 
たとえば、カッターできれいに切るときに
定規をしっかり押えるのは
右手より左手の方がうまい。
 
あと、ほかにもいろいろある!
今度から、左手の活躍も
見逃さないようにするから!と
叫びたい気持ちになってくる。
 

 
…だんだん、何を書いているのか、
よくわからなくなってきたので、
ここらで終わりにしよう。
 

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