先の手を読む
ここ最近は二歩の活動が主になって
きました。
二歩は幸運だと二人で話したりしますが
本当にそうで、
今年に入ってからいろいろなイベント、
ワークショップやお仕事としても、
メディアの中で表現を考える機会もあり、
ありがたい日々なのです。
いろんな方々の手によって、
下の絵の女の子のようによいしょっと
持ち上げられたような状態です。
多くの方の協力でいろんなチャンスや
発表の場を頂けています。
感謝は尽きません。
ぼくらは欲張りなので、それ以外でも
やりたいことがある。
しかし、気がゆるんでしまうと、つい
目の前のことで手一杯になってしまう。
それは不安なことです。ぼんやりとした
学生みたいに淡々と課題を
こなすだけのような気持ち。
これはまずいぞ、と思うわけです。
*
そんな時に本屋で、棋士の
羽生善治さんや森内俊之さんらを
撮影した写真集をみて、
久々に胸が騒いだような気がしました。
あのぞっとするくらい真剣なまなざし。
日常からは想像もつかない集中力が
発揮されているのだろうと思いました。
プロ棋士は対局で十手以上も先を
読んでいるそうです。
その時、今のぼくは1手先しか見ずに
行動しているなあ、と思えたのです。
*
小学校の頃、将棋クラブに入っていた
こともあって、なんとなく思い立って
「詰め将棋」をやりはじめました。
面白いのは、どう手を考えても
なかなか詰まなかったのに、
ある予想外の一手をきっかけに
答えが出るところです。
死路に思えたところが
意外な駒によって俄然活きてくる。
それは幾通りの打ち手を予想して
何手か先を読んでは失敗し、
それを繰り替えしていくうちに
はじめて見つかる活路です。
詰め将棋というゲームの中だけでなく
現実でも予想外のある一手がなにかの
決め手になることがある。
でも現実世界には、
不確定要素が多すぎるので
はっきりとは言えないけど、
目標を決めて、そこに到達するまでに
どんな手を打てば効果的か、
じっくり時間をかけて考えることが
重要なのだという気持ちが、
もたげてきました。
2014/04/29