会いたかったわ!
「泣かないで、毒きのこちゃん」を
読んでいます。
…カテジナは森の草原で日なたぼっこ
しているクマをみつけて、
思いきり抱きつきました。
「クマさん、クマさん、会えてうれしいわ!」
…ここで、本から顔をあげました。
ああ、こういうことってあるなあ。
家で飼っているネコにも、
思いきり抱きつくことがある。
でも、広い森の中で出会いがしらに
なるのと、
2階建ての一軒家で出会うのとでは
喜びの度合いが違ってくるように
思います。
そこで、本を読むのを止めて、
こんなことを想像しました。
自分の家がとても広かったら
どうだろう、と。
リアリティを深めるために、
お城のようなだだっ広さではなく、
今のじぶんの家の間取りで
上下50階にもわたる建物だったら、と
想像してみる。
*
勿論エレベーターがついていますので
いろんな階をいったりきたりできる。
家族は、大体何階と何階に
それぞれの部屋があるということを
決めているので、
探すのにさほど苦労はいらない。
問題はネコです。
好奇心旺盛で、狭い所好きで、
要するに探検好きなうちのネコにとって
50階の家は森の中も同然。
見なくなると、何日も会えない、
という時期も続くことでしょう。
この家のどこかにいることは間違いない
のだが、いったいどこにいるのだろう。
そうこうしながら、日々を過ごしていく。
ある日、家に帰って来て、
17階のリビングにきてみると
なんとソファーに横たわって
ネコさんがすやすやと眠っている
ではないか。
「ネコさん、ネコさん、会いたかったわ!」
…
こういう気持ちだろうか。
とここまで想像して、
本の続きにとりかかりました。
2012/12/16