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人生まるごと

絵本というと、海外ものが好きでした。
日本のはあまり知らなかった。
海外の方が立派だ、という思い込みが
あったのだと思います。
 
しかも最近の人よりも
古い人のほうが立派だ、と
思うクセもあります。
なんだかわからないけど
よくないなあと思います。
 

 
図書館でたまたま見つけた
「作家のアトリエ1、2」(母の友編集部)
という本を読んで、
ががーんとショックを受けました。
いや、それは大袈裟かもしれないけど。
絵本画家の加古里子、大脇百合子
中谷千代子、薮内正幸、
堀内誠一、せなけいこなどなど、
そうそうたる人もいたし、
ぜんぜん知らなかった人もいて、
全部がおもしろい。
 
内容としては、その作家の人生が
短い文章で端的に描かれている。
おもしろいのは、全員が
人生における興味関心を
可能なかぎり尽くして、
それがまるごと絵本につぎ込まれている。
という印象があったこと。
 
女の子082
 
ジオジオのかんむりを描いた
中谷千代子は、上野動物園にいるライオン
ではモデルにはしっくりこないので、
京都の動物園まで足を運んだ、とか。
薮内正幸は小学校のころから
言わば動物博士で、動物学者と高校生まで
文通しつづけ、あるキッカケで
動物図鑑の絵本を描かないかと
東京まで上京する、という徹底ぶり。
 
絵本を作るということが、
外の世界に関心をもつ理由になって、
調べたり、足を運んだり、
出来る限りを尽くして絵本を作る
要素をインプットしていく。
それが絵本の中で思いきり
解消されている。というかんじ。
 
とにかく半端ないなあ、と
仰ぎみてしまう。
 
これまで作品作ってきて
(といってもたかだか数年だけど)
自分の内側だけや、
うわべだけで考えているかもという
もやもやした感じがずっとあって、
それがもしかしたら、
絵本をきっかけに解消できるかもなあと
なんとなく感じています。
 
しかしとにかく簡単ではない。
フルマラソンでいいタイムを出す為に、
ようやく練習をはじめた、という
状況です。
前のめりの気持ちでぐいぐい歩いて
行きます。

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