ママ、みて!
よく行く本屋の絵本売り場には、
小さい子が座って
本を読んだり遊んだりできる
ちょっとしたスペースがある。
電子音が鳴る絵本から流れる
ぴこぴこした音や、
小さな女の子が朗読する声、
その後をたどたどしく真似る
もっと小さな妹…。
その中でひときわ耳にするフレーズが
あります。
「みておかあさん、これ
ここにせつぞくするとはっしんするんだよ」
「ママみて、ほら、これ、
あたしとおなじおようふく」
「ねえみてママ!」
「みてよおかあさん!」
…
この「みてよママ!」のときの彼らの
熱心さといったらないのだけど、
大体のおかあさんの反応は
「もうすぐ時間だからね。」とか
「はい、もういくよ。」とか一刀両断。
お母さん方にしてみたら、
もう飽きるくらい聞いた台詞だし、
まともにとりあっていたら
生活が破綻するということくらい
よく分かっているんだろう。
でも母親の都合をよく知らない
ぼくとしては、
もっとちゃんと構ってあげればいいのに
と思ってしまう。
*
この「みてよ!」という気持ちは
facebookなんかでは至るところにある。
いいね!をたくさんもらってる人って
すごいなあ、と思うけど、
本当は、いいねを押す人の方が
偉いんだよなと思えてくる。
語弊があったら失礼かもしれないけど、
ちゃんと構ってあげている!
と思えてきてしまう。
あの時、母親に
「もう行くよ」と言われていた子どもたちが、
facebook上で報われた、というようなね。
2013/05/21