ファン
先日、渋谷のカフェに寄り道しました。
スケジュールを再確認していたら
あまりに怒濤で、というか、
スケジュール帳に、
「おまえ、それでええんか」と
すごまれた気がして、
涙が出そうになっていました。
そこへ20代後半くらいの女子が
ふたりで隣の席に座ってきた。
はじめはふたりで話すともなく、
何かをていねいに書きものをしていた。
手紙かな?
これ、ふたりで交換しあうのかな。
*
一通り書き終えたと見えて、
ふたりは会話をはじめた。
べつに聞こうと思っているわけでもなく
聞こえてきてしまうのだが、
話題は(おそらく)今から始まる
アイドルのライブについての
ファン談議みたいなもの。
それがものすごい。
チケットをとる為に、
何人もの知り合いに頼み
ファンクラブに名を連ね、
チケット予約をとってもらう。
しかもそれがすべて抽選から
はずれ云万円という金額が返金された。
という。
ああ、ファンも厳しい世界なのだ。
聞き慣れない用語も飛交う。
「かぶき」
「たきつ」
いったい何を意味しているのか。
そして話はファンレター。
誰にわたせば良いとか、
返事はあったとか、ないとか、
直截わたした、とか。
あ、さっきの手紙はファンレターか!
*
グループが解散しちゃったら、
なににお金使ったら良いかわからない、
なんのために働いたらいいの?
って、たのしそうにしゃべっている。
いいなあ、なんだか。
スケジュール帳とにらみ合いっこ
しながら、気持ちがすこし
和らいだような気がしました。
2012/07/10