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ナイトハイク

夜の散歩はおもしろい。
 
当たり前だけど、
夜の空気と昼間の空気って全然違う。
夜の方がずっと
澄んでいるような気がする。
 
日中よりも排気ガスの排出量や、
舞うほこりやちりの量、
紫外線や太陽光線による
大気のざわめきが
夜には少ないのかもしれない。
 
ゆえに夜の空気は
昼間のものより清楚で
どことなく神秘的であると思う。
 
さらに妄想を続けるなら
こうした「夜の空気」は、
地球の回転速度と同じスピードで
移動を続けているのかもしれない。
 
つまり、夜の空気は、
永遠に夜のままくるくると回りつづける。
 
夜の純度が100%ということ。
 
なにがいるの?216
 
そうか、この空気は
世界中の夜を何万年、幾度となく
巡ってきた。
人類の夜の歴史を見守ってきたのだ。
と、すうっと冷えた緩やかな風を
うけながら考えてみる。
 
ぼくが名前も知らないような
アジア的な民族が大きな火を囲み、
現代では耳慣れない音楽と
食べ慣れていない食事とで
盛上がっている様子が
ぼんやりと浮かび上がる。
 
自分がその輪の少し外側にいて、
その奇妙な高揚感を
わくわくしながら眺めている
ような気分に浸る。
 
夜の空気には
そうした時を越えた記憶が
いまだに電波のようにして
流れ続けているんだな。
と、確信する。
 

 
近所を一回りして、
おうちに帰ってきて
ようやくこの話のばかばかしさに
気がつくのでありました。
 

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