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スキーマってなに

日を追うごとに、
未成熟であると思う。
作品のことです。
 
熟しきらないままの
青くてカタい果実を想像すると
ちょうどよいかんじ。
 

 
「こんなのが見たい」という期待が
期待だけでふくれあがってしまって、
今まで作ってきたものを見かえすと
どれも「及んでいない」という気が
してきます。
 
なんて恐ろしい。
 
どうやったら自分を納得させる
ことができるのか想像もつかない。
 
いちばん関心があるのは、
そもそも言葉とはなんだという疑問。
 
それも、言葉に対する直感的な性質を
知りたいと思う。
 
言葉と読み手との間にある、
感受性やイメージの想起の作用の仕組みを
表現の基盤に取り入れたいと思う。
 
というと、ふつうの文芸作品のこと
じゃないかと思いますが、
ちょっと違うんです。
 
磁石の性質を読み解き、モーターの原型を
発明したファラデーに近しい、
気持ちとしては。
 
なんというか、どんなふうに言葉から
風景や気もちや印象を想起しているのか
という仕組みを利用して、
新たな表現方法を見つけたい。
 

 
言葉にはデフォルト(基準値)がある。
たとえば、「待ちあわせ」というと
ある一連の事柄が浮き上がってくる。
誰が、誰と、いつ、どこで、という
項目が変数としてあらわれる。
 
言葉の理解は一般的に共通した
基準値をもとに形づくられていく。
 
それが言葉であることの
もっとも基本的な作法だと思います。
 
単語にはひとつひとつそのように、
前もって与えられたデフォルトの意味と、
変数を持っている。
 
で、その組み合わせによって、
意味や状況を限定したり、
広げたりなどする。
この最小の単位をスキーマというのだそうです。
 
…と書いたところで、
よく意味は分からない。
「スキーマ」のことを一番
分かる形にする過程が作品づくりなんだ、
と、いうことにしておきます。
 

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