エチオピアにて
大学生の頃、大橋歩のArneという雑誌を
読んで、自分もこういうの作りたい!と
思ったものでした。
けれど、いま考えれば
雑誌を作るってのは今の自分から
もっとも遠い所にある、と思う。
Arneは大橋歩が良いなと思うもので
埋め尽くされているかんじがして、
それが独特で魅力的だったのだけど、
自分の好きだと思うもので
すべてを埋め尽くすというのは、
とてつもなく難しいことなのです。
それも雑誌なんだから、
毎回あたらしいものを
取り込んでいかなきゃいけないし、
好きなトーンを更新しながら
埋め続けていくのは、
忍耐、とか粘り強さ、とか、
執拗さみたいな部分が多いと思う。
大体、ぼくの好きなものって言っても
そんな多くないし、
「そんな多くない」というのは、
言い方を変えれば、
その分「見識が狭い」ということ
かもしれないし、
好きなものも、
「いいなあ」と思った瞬間に
それで完結してしまいがち。
それのどこがどういいのか、
自分でもよく分からないまま、
ただ好きでいるというのは
人に「好きだ」と公言するにあたっての
説得力に欠ける。
その点で言えば、
ぼくとArneには10,000kmくらいの
距離感があると思います。
具体的にしてみると、
Arneが東京にいるとするとするなら、
ぼくはエチオピアにいるという計算です。
手ぶらの状態でどうやって
ユーラシア大陸からぬけだすか。
考えるだけで途方に暮れてしまいます。
*
それほど遠い場所にいるくせに、
やりたいなと思う事を
自分の能力に見合わない数だけ
手に抱える癖があります。
現在進行中の企画も
どれをとってもわくわくするのですが、
どれをとっても捗がいかない。
本当に全部実現できるのか、と
思って気が遠のくのですが、
それを含めて楽しんでいます。
2014/01/22