のどごしで食う
どうでもいいことだけど、
ずっと気になっていたことがあります。
ごはんを食べる速度のこと。
人によって早い遅いがありますが、
いまだかつて、ぼくより遅い人を
見たことがない。
…というのは、大袈裟にしても、
そういう方をお目にかかる事は少ない。
友人と食事をともにしていても
大体において遅いと言われる。
悪い事ではないのに、
なんとなく悪い気がしてしまいます。
早く食べる素質のある人と、
そうでない人との差は
いったいなんだろう、と思う。
これがしばらくの間、
頭の中で引っかかっていたのです。
*
その答えはおそばにありました。
そば(に限らず)を食べるとき、
ぼくはもぐもぐもぐと充分に
咀嚼してから飲み込む。
しかしその時に一緒にいた友人に、
「おいきみ」と手を止められる。
「そんなに噛んでたらいかん。
そばはね、のどごしなんだよ。」
という。
あまり噛まずにそばの感触をのどに
託すのだ、という。
それでこそ、うまみが分かるのだと。
錠剤の薬もうまく飲めない質だから、
のどごしで食べようとすると、
のどの奥の方が抵抗するのを感じる。
なかなか難しい。
それでも練習しているうちに
なんとなく出来るような気がする。
つるつる、ごくん、つるごくん
とやっていると、なんと、
食べ終わるのがみんなと同じだった。
もしかして、と思って、
牛丼屋に行ったときにも試した。
あまり噛まずに、のどごしで
美味しさを感じてみよう、
というつもりで食べてみる。
すると、やっぱり早く食べられる。
「食べるのを早くする」スイッチを入れる
ということは、つまり
のどごしで食べる事を言んじゃないか。
これが、最近の自分の発見です。
2013/10/28