たなんか、たなぼたか
最近どうですか?
と聞かれて、実際に調子がよくても
とても調子がいいです!
とは、なかなか答えにくい。
自分の話となると、
どうしても口ごもってしまう感じがして。
まあ、あえて、がんばって、
「最近どう?」に答えるとするなら、
「自分のなかでは、満ちてきている、
という雰囲気が漂っているので
そこそこ楽しくすごしてます。」
と答えようかなという次第な今です。
*
とはいっても、過去には、
上手くいかなかったときや、
失恋をしたときや
漠然とした不安感に襲われたときなど
つらい、という時期もあって。
そういうときには、
よく「辞書占い」をしてました。
辞書占いとは、
1、今の自分って、
何で悩んでいるんだろう?
と具体的に想像してみる。
2、目を閉じて、辞書をひらき、
適当なところに指をおく。
3、目を開けて、指で示された
単語を見る。
4、その単語と、悩みとを
照らし合わせて、
自分なりに読み解いていく。
というもの。
*
突然、久しぶりにやってみようか、
と思い立ちました。
で、1から考え始めてみるけれど、
自分のなかに今は
悩みはないなと思ったんです。
改善していこうという反省が、
改善できそうだぞという実感とともに
あるので、悩みにならないという感じ。
そうかとおもって、じゃあ
漠然と「自分の未来はどうなるかな?」
と想像してみることに。
…目を閉じ、辞書を開き、指をおく。
ぱっと目を開けると、
「たなん【多難】困難や災難が多いこと」
えっ!!え~、焦る。
ぜ、全然そんな気がしてなかったので、
急に言葉に引っ張られてしまう気持ち。
まだなにも起きてないのに、
心当たりもないのに、
なぜだか、多難~という気持ちになる…。
いや、まてよ、
もしかしたら、自分の心のどこかで
「多難」という言葉に近い
ざわついた気持ちを
持っていたのかもしれない。
「多難が待ち受けているかもしれない」
という不安が一抹もなければ、
こんなに気持ちって引っ張られないはず。
自分の中に、まだ不安があったんだ。
…と、いうように、
自分の気持ちに気がついたり、
整理できるキッカケになるのが、
辞書占いなのです。
*
そして、よく見てみると、
指をおいた位置は、
「たなん」だけじゃなくて、
右となりの「たなぼた」という
ところにもかかっていた。
「たなぼた【棚ぼた】たなからぼたもちが
落ちて来るようなに偶然の幸運がやってくること。」
…そうなのです、じつは、
指は「たなん」と「たなぼた」の
ちょうど真ん中に置いていたのです。
それを、ぼくが「多難」の方に
最初に気をとられた、
というところに、無意識の自分が
隠れていた、というわけです。
見方によって、
多難でも棚ぼたでもありえる。
だったら、棚ぼただと思えるような
自分になりたい。
2021/07/15