ただそばにいてほしいんです
2週間って、どのくらいの長さだと
感じます?
ぱっと考えると、2週間あれば、
大抵のことはできそうだなと思う。
海外旅行するにも十分だし、
車の免許さえも最短ならとれちゃう、
ちょっと面倒なことでも
なんとかできそうな気がする。
それが2週間。
本を読むことなら、なおさら。
1冊の本を読むのに2週間もいらない、
と思う人も少なくないと思う。
でも、と思う。
ぼくは、図書館が借りた本が全然読めない。
図書館の貸出期間が2週間なんだけど、
いつのまにか返却日が迫ってくると、
背筋が凍る。うそだろ、と。
「まだ読み切れていない」
そんな気分になる。
この間なにをしていたの?
と、問い詰められたら、きっとまごつく。
だって、だって、
自分でもどういうわけか
分からないから。
どうして、こういう不消化な形で
返却日を迎えることになったのか?
ふりかえってみようか。
*
そもそも、を考えなおしてみよう。
最近ぼくが図書館で借りるのは、
つまみ読み、眺めるための資料として、
なんです。
つまり、端から端まで読もう
と思っているつもりじゃない。
この本のここと、
ここの記事や写真は
参考になりそうだとか、
詩集や、短編、全集などの
ここの部分が気になるなとか、
断片的に必要としている、のです。
だから、その部分が
つまめていれば、それでいいんです。
そういう意味でいえば
一応用を足していることになる。
でも…
と思う。
~ここからは妄想タイム~
仮に、あなたが好意を抱いている人がいて、
その人といっときの時間を過ごすとしますよね。
けれど、時間が来て、
それぞれの帰路に着く。
その道すがら、ちょっと物足りなさを感じる。
あれです。
思いを寄せた時に、そばにいてくれる。
もうちょっとだけ、ここにいてほしい…
本に、そんな気持ちを抱く。
図書館で借りた本が「読めない」という
感覚になるのは、
要するに、もう、会えない、
というさみしさが正体なんじゃないか。
うーむ。
と図書館への裏道を歩きながら
考える。
*
それゆえに、
また借りにいこう、と思う。
2020/10/25