うしろめたい占い
以前、古本屋さんで展示をしたときに
店主の方と話をしたことがあった。
そのときに言われたことが、
なんとなく記憶に残っていて、
たまに思い出して励みになる。
「まわりのことは気にしないで
自分のペースを活かして」
ということと
「チャンスは逃さない」
というようなこと。
*
よく言われるような話ではあるけれど、
誰に言われたか、と、
どういうタイミングで言われるか、
ということが要因で説得力も増す。
…とはいうけれど、それにしても
どうしてこんなに記憶に残っているんだろう。
たぶん、それは
もともと自分のなかに隠れていた
セリフだったからかもしれない、と思う。
思えば占いだってそうだなあ。
どうしてあんな紙っきれ一枚に
一喜一憂するのかっていえば、
どことなく「それはそうなんじゃないか」
と思い当たる節が自分の中に
あるからだろうな、きっと。
なんだろう、
うしろめたさみたいなものが。
おみくじや占いをやって
「やっぱり」とか「分かってる」とか
思うのは、同時に自身を自覚したという
ことなんだろう。
なにかが好きだとか
これが面白い、とか思うのも、
(好きじゃないな、と思うのも)
ことごとく自分の中にそういうものが
あるからだろうな。
2012/09/05