Instagramにてライフワークであるイラストを公開中.

いま作っている2冊について

いま、出版社さんと一緒につくっている
絵本が2冊。

ひとつは「このかべどうする?」につづく
シリーズの2作目を。

前回は課題解決力がテーマだったんだけど、
今回は創造性がテーマで、
「わたしのいすのつくりかた」というのが
仮タイトル。

(そもそも、創造性を描く上でなんで
いすなんだろう?という理由はひとまず
別の機会に置いておこう。)

自分だったら、どんな「いす」をつくりたい?
自分らしい「いす」ってなんだろう?
と実際に考えてみる。。

そもそも、いすに限らず、
自分のオリジナルのものを作ろうとするとき、
自分らしさって、なんだろう。。
と、途方もなく思えてくる。

自分じゃなきゃ作れないものって…。
考えれば考えるだけ、謎として深まっていく。

自分が好きなものを自由に作ればいいんだ
って言われると、楽しさいっぱいな分、
なかなか大変でもあって。

イラストの仕事のように、
フォーマットやレギュレーション
みたいな決まり事が、前提として
はっきりしている方が考えやすい。

ひとつ欠けているパズルのピースなら、
自分でも「すき間」の形にそって
ぴたっとはめられるように作ればいい。

けれど、たとえば、
パズルそのものを0から作ろう、
ということになると、
いったい、どんなパズルにしようか?、
そのパズルはだれが遊ぶのか?とか、
どんな絵柄にしようか?とか、
考える余白が俄然ひろがる。

自分自身に置き換えて考えると
「わたしの好きないす…か。
考えたこともなかったな」
と思えて仕方ない。

具体的に「こういう悩みがあるから、
それを解決させるためのいすがほしい」
というと、
それは創造性というよりは
課題解決としての考え方だから、

そうじゃなくて、
もっと無意味じゃなきゃいかんなと。
役に立たないんだけど、
なんか好きっていう感じ。

「これに座っていると、
実用的な効果があるわけじゃないんだけど
気分がわくわくしてくる。」みたいな。

心が充実して、自分に自信が持てる気がする、
そんなものを作れることが「創造性」の
行きつくところなんだと思う。

と思ったところで、
じゃあ、好きに作るんだ!と
放り出されたら、まずは、なにから始める?

いちばん手が付けやすいのは、
まずは調査から始めること。
自分はどんないすを見て「わくわく」と
感じるのか、
辺りや椅子の歴史を探してみる。

そして、次の段階。
たくさんの「好きないす」に囲まれたあとは、
そのなかでも「自分で実際に作れるのは、
どういうものだろう?」と
取捨選択する必要がある。

と、ここでいったん
もう一冊のほうの企画の話。

じつは、いま目下で進めているのは
こちらの方で(まだ詳しくは言えないけれど)
とある企画の絵を担当させて頂いている絵本。

「主題に適した絵をどうやって描こうか」
と悩んでいるところ。

これもよく考えたら
「好きないすを作っていいよ」と
さっき書いた悩みとおんなじ過程にいるなあと。

どうやって絵本に合った絵を選ぶか、
どんなものが自分自身でわくわくできるか、
と悩んでいる真っ最中。

どうやって描いたら、画面が豊かになるかな、
自身でテンションの上がる方法って
どんなのかな?

そう思いながら、資料を集める。
モチーフの参考資料はもちろんのこと、
絵の描き方の参考になりそうな絵も
たくさんかき集める。

次に、好きだと感じていても、
自分自身にできる表現か、
できない表現か、で取捨選択する。

どこなら、実現可能か。
実際にためしながら、
「好きな絵柄」と「自分の得意分野で描けるか」との
両立を目指して、紆余曲折。。

この実際の体験を
ちゃんと記録にとどめておいて、
「わたしのいす」に
活かさぬわけにはいかないな
と思っている。

この思わぬ2冊のつながりが
見つけられて、おもしろい。

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