連想イメージの良し悪し
言葉の認知に関する本を読んでいると、
「スキーマ」というワードが出てくる。
正確なところはよく分からないけど、
おおよその意味で言うなら、
「一つの単語にはいくつかのイメージが
くっついている」
ということだと思います。
「雪」という単語には、それだけで
「白い」とか「冷たい」「冬」なんかの
(ごく一般的な)イメージがセットになって
頭の中で展開される可能性を持っています。
いうなれば、~といえば○○、みたいな
連想ゲームみたいな仕組みと
同じだと思います。
その効果の例を挙げてみます。
「雪ミルクのおもち」
というお菓子があったとします。
これがなんとなく甘くて、冷たくて、
おいしそうだなあ、と思うのは、
言葉にあるスキーマという性質の
為なんだということらしいのです。
「雪」からは冷たさ、
「ミルク」からは甘さ、
「おもち」からは触感。
これらが「白い」という共通項や
「食べ物」であるという認識によって
ひとつのトーンとして括られ、
「おいしそう」というイメージが
頭の中で活性化されて出てくる。
単語に付随するイメージが、
他の単語と影響し合って
一つのイメージとして形作られる。
という作用があるようなのです。
語感を用いてイメージを伝える、
ということがとても面白いし、
どことなく化学反応の実験を
しているようで、興味深い。
*
話は変わって…、言葉ではなくても
実際の「モノ」も同じように、
そこから自動的に連想してしまう
「付随したイメージ」というものが
あります。
例えば、本だったら、
手にとって、開いて読み、ページを
めくる、という一連の動作が自然に
頭の中に刷り込まれている。
だからこそ、本って誰にでも
分かり易い表現の土台だと思います。
けれど、!
ぼくが作った「補集合の本」には、
一般的な本の読み方とは、ちょっと
違う用法が備わっております。
言葉の「スキーマ」のように
既成概念がイメージの膨らみに貢献する
こともありながら、
逆に、本という先入観が強すぎると、
「補集合の本」を手軽に理解するのには
難易度が上がってしまうようなのです。
ここが重要な問題点だなあ、と
最近ぼんやりと考えています。
2013/11/19