worksは8/24に更新しました.

将棋が弱いきみに

将棋がめっぽう弱い。
小学校の頃に将棋クラブに入っていたが、
どういうわけか勝ったためしがない。
 
当時ぼくと対局する人はみんな油断した。
なぜなら、おしゃべりしながらでも
ぼくには勝ててしまうからだ。
 
その日も年下の女子が、別の女子と
おしゃべりしながらぼくと対戦していた。
それを良いことに、
よそ見している隙に
ぼくはそっと王手をうった。
相手に聞こえないくらい小声で
「王手」と。
 
女の子は気がつかず、
(ぼくの打った手を見ていないのだから)
別な駒をうごかして、うっかり負けに
帰してしまう。
びっくりしたのと、ぼくに負けたのとで
泣いてしまった。
 
そう、ぼくは将棋でズル勝ちをして
女の子を泣かせてしまうくらいに弱いのだ。
 

 
最近、思い出した様に
詰め将棋(三手詰め)にはまって、
クリアし続けていたら、つい、
強くなったと思い込んでしまった。
 
しかし対人でやると、やっぱり負ける。
先を読んで、戦法を考えながら
一手ごとに意味を持たせながら打つ。
これが出来ない。
 
どうしてもその場の感覚だけを
頼りに「なんとなく」打ってしまう。
 

 
かなり強力な友人がいるので、
すこし手ほどきをしてもらったが、
「ここでこうしていたら良かった」
という手が山ほどあった。
 
やっている時は気がつかないのだが、
聞くと、なるほどなと思える。
 
初心者の鉄則として、
まずは玉の守りを固める、
戦法の定跡を覚える、
昔からの知恵である格言を守る。
このように地に足をつけて、
かつ先の予測を常に考えていないと
すぐに隙をつかれてしまう。らしい。。
 
かようなことが、どことなく
人生と似たもののように思えてならない。
将棋の強さが人間性と比例している様な
気がしてくる。
 
その場の感覚だけで動いているぼくとしては
あの一手が、あの一手で、あの一手を
こうしていたら、ということを考えて、
過去を振り返ると、震えがとまらない。
 

 
しかし、将棋はまず、暗記が大事。
定跡や格言を本かなにかで覚える、
これがある程度の強さと直結する。
…それを人生に例えると、
ビジネス書、自己啓発本を読むのと同じか。
 
でも人生では、将棋ほど「定跡」が
役に立たないでしょう。
自己啓発本を読んでも、
啓発されないことの方が多い。
 
川上量生が「人生はくそゲー」と
言っていたのが、そうだなと思える。
 
くそゲーはくそゲーなりの
巻き返し方があるんじゃないか
と思って、
この頃気を取り直している。

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