worksは8/24に更新しました.

地道であることをご容赦ください

頭ではわかっているのに、
うまくできないこと。

これが、不思議なくらいたくさんある。

スケジュールを立てる時、
頭のリハーサルでは
ずいぶん余裕を持たせた進行を
組み立てるのだけど、
実際そのとおりにいかない。

たとえば
この90分は、4つの項目の
おさらいとして各20分+αで
進めようと。

いまの進捗確認と問題の整理をして
これからの目標の把握をすればいい。
案件ごとに風通しをよくするため。

なにも、早食いしろというのではなくて
タイマーで測って、
ぴぴっとなったらそこで止めればいい。
それで次の項目へ移行すればいい。
ただ、風を通すだけ。

ものすごくイージーモードで
設定しているはずなのに、

始めると
タイマーが鳴ってもキリが悪くて、
もう10分足そう、さらに8分足そう…
などやっているうちに結局90分で
1.5項目ほどしか終えられない、みたいな。

もうひとつの例として…
というかこれが本題なんだけど、
Radiotalkの話題で、ガブリエル・バンサンを
教えてもらって、
調べてみると、これがものすごくいい。

「アントワーヌからのてがみ」での
こどもたちの表情もいいし、
「老夫婦」を、モデルとなったシャンソンと
ともに聞きながら読むと、
胸のなかの穢れがはがれていくような
淡い切なさとやさしさに包まれる。
本を読んでこんな気分になれるのは
幸せだな。

そもそも、彼女の絵は
下書きを思わせるテイストのまま
描かれている。

それがいいんだと思う。
「絵を描くあるある」かと思うけど、
描く対象を一番観察するのが
下書きの時だと思う。
そこから本番描きだといって、
少しでも見栄えを良くしようと整えていくと、
「あの感じ」から一歩ひいてしまう。

感じを描くというのは、
描いたり消したりを繰り返しながら
「あの感じ」の再現を~、と
無心になっているときに
時々うまくいくもの。

そんな繊細な作業を、改めて
上からつぶすように整えることこそ
よく考えればおかしいのかもしれない。

ガブリエル・バンサンの人物の描き方は
すごい。(たぶん)鉛筆からペンへの移行の
タイミングが途切れることなくきれい。

したがって顔の目、口、輪郭を描いて、
体を描いて、というんじゃなくて、
気持ちそのものを描いているような
ムードが生まれていると。

映画でみる、良いシーンには、
ムードがこみ上げてくるが、
彼女の絵にもむせ返るくらいの
気分が、雰囲気が、感情があふれている。

それをみて、
そうか、こういうことか!
と、分かったつもりになって
次にスケッチするときは、
こうして、ああして、
ここをちょっとそうしたら、
きっと格段に良くなるはずだと算段する。

しかし、案の定、
上手くいかない。

1mmくらいは成功したかもしれないが
そのおかげでその他の箇所で
300mくらいの失敗をしている。
そんな気分。

分かったつもりになってみても、
がらっと上手くいくことは
ほとんどない。

悲しい気持ちになるよりもまず
地道に続けてみようと思う。

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