worksは8/24に更新しました.

値段のきもち

いま、20代くらいの女子たちの間で
ひそかなブームとなっているらしい、
さくらももこの「コジコジ」。
 
コジコジは人に気を遣うような、
どんな良いことも、悪いこともしないし、
どれほど深刻な状況であっても、
(テストで「-5点」をとっても)
マイペースを決して崩さない。
 
「コジコジは生まれたときから
ずーっと将来もコジコジはコジコジだよ」
 
この名言は、暗唱して
おまじないのようにして
唱える価値があると思う。
 
コジコジお面258
 
テストでひどい点数をとっても、
あっけらかんと皆に見せびらかしている
ハマジをみて、
人生テストの点数じゃないんだね、
ハマジが輝いてみえるよ。
と言ったまる子のような憧れの心境。
 
これが、若い女子たちが
コジコジに陶酔する理由と
似ているんだろうなと思う。
 
ぼくはこれを描いたさくらももこが
一体どういう人なのか、知りたくなって
ぞっこんまいってしまった。
 
機会があれば、マンガを買って読もう
と心に留めた。
 

 
ある日、本屋でコジコジを見つけた。
でも、迷った。
 
値段はそんなに高くはないけど
古本を探せば、もっと安いかも、と
せこい考えをしてしまう。
 
いま買ったらあとで後悔しないか…。
どうしても決められなかったので、
賭けに出ることにした。
 
隣の棚を覗いて、
手前にいるのが男の人なら買う。
女の人なら買わない。
 
覗いてみると、驚いた。
誰もいない。
この状況を想定してなかった。
 
今度は、適当にとった本を開いて、
そこにある文章が、肯定的な内容なら買う。
否定的な内容なら諦める。
 
開いてみると、
「それでも地球は回っている」
ガリレオだ…。しかもよく分からん。
 
…たった数百円の本でここまで悩むとは。
しかも好きな本なはずなのに。
 
自分が作ろうとしてる本の値段も、
買う人の気もちになったら
とても値段なんて付けられないな、
と痛感しました。
「買う」という決定打はどこだろうか。

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