worksは8/24に更新しました.

ラジオの目

幽霊はにわかに信じ難い。
占いやおみくじみたいなものも、
都合良く信じてはみても、
絶対にあたるものだと確信している
というわけではないはず。
 
幽霊も占いも気持ちの問題だってことに
してしまう。目に見えないから、
確かなものとして信用しにくい。
 

 
ところで、目に見えるものと、
目に見えないものの間を
行ったり来たりする物質がある。
それは光。
 
映画のスクリーンを見ると分かる。
スクリーンに投影されたイメージは
はっきり見ることが出来るけど、
映写機とスクリーンの間には、
ほこりだけでなにも見えない。
つまり光は対象物に反射して、
目玉に入って初めて見える。
 
言い替えると、人って光という
チャンネルで景色を見ている。
 
川辺の読書222
 
「チャンネル」と言ったのは、
光以外の波長があるということ。
たとえば紫外線や赤外線。
蛇は赤外線を知覚して、
獲物の場所をみつけるのだそうな。
 
蛇には赤外線のチャンネルが
あるということになる。
 
あとはラジオ。
いまここに何も見えなくても、
何も聞こえなくても、
ラジオの周波数さえ合わせれば、
なにかしらの番組は聞こえてくる。
 
それはなにもないはずの
空間にも、じつはいろんな情報が
詰まっているということ。
 
光や、電波(ネットやケータイ、ラジオ…)
衛星の信号、紫外線、赤外線、宇宙線…。
半端じゃない量の情報が
今まさに目の前に飛交っている。
 
そんなのは、言われないと
気がつかないし、
想像しないと、分からない。
 
ぼくたちが見ている世界は、
無数にあるうちの、
たったひとつの番組(チャンネル)に
過ぎないというらしい。
人では知覚できないけど、世界は
それ以上にひろがりをもっている。。
 
谷川俊太郎や五味太郎やファインマンは
子供の頃から、手作りでラジオを
作ったことがあると聞いた事がある。
 
それって、人のチャンネルとは
違う視界に触れてみたいという
想像力豊かな人のもつ好奇心だった
のだろうなと思う。

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