worksは8/24に更新しました.

インドアのアウトドア

小平に「ふるさと村」という
江戸時代中期の旧家などが建っている
ちいさな公園がある。
 
そこだけ時代が違うようで、
朗らかな気分になれるのがいい。
 
近くを通ると、
アニメによくあるシーンが
思い浮かんでしまう。
“ご馳走の湯気”が手招きしながら
鼻を釣りあげて誘うのと同じように、
ぼくもまた「ふるさと村」に
ふらふら寄り道してしまうのだった。
 

 
江戸時代の住宅というのは
筒抜けで気持ちよいが、
冬は寒そうだなと思う。
 
家財道具や生活用品が明らかに
少なく、生活感はあまり
感じられないけれど、
当時もこんなに筒抜けにして
暮らしていたんだろうか。
 
ただ、その筒抜けのおかげで
外からでも、火がちらちら見えた。
あ、さては囲炉裏だな!?
 
わくわくして中に入ると
幸い誰もいないので、
囲炉裏の横に腰かけて炎を眺めた。
 
火はいいなあ。
思いかえせば直の火を目にするのは
ガスコンロくらいで、
こういう天然の火は年に数回程度。
 
あっというまに
安らかな気分になれる。
 
囲炉裏ちゃん159
 
そこへ小学校くらいの
女の子が裸足で走ってきて
囲炉裏の火をじいっと見つめる。
 
ちょっと危ないんじゃないの、
ってくらい顔を近づけてから、
「あちい、これ!」
と満面に笑いながら
さーっと外に出て行ってしまった。
 

 
煙の匂いはキャンプを
思い起こして懐かしくなるけれど、
家の中でこれは結構きつくないか。
と上を見ると天井は案の定、
煤だらけでまっ黒。
 
部屋と部屋は上の方では
繋がっており、
そのまま外へ煙が抜けていく
仕組みになっているようだった。
 
こりゃあ、
ますます寒いだろうな。
インドアでアウトドアなんだなあ。

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