なぞなぞの仕組み
「学びとは何か」今井むつみ著
をうのみすると、
(子どもが言葉を覚えるとき)
「はじめて見るものに
はじめて聞く名前をがつけられると、
それは特定の個体を指す固有名詞ではなく
普通名詞だという「思い込み」を
持つことがわかったのである。」
なんだってさ。
犬をみて「ワンちゃん」と教えると、
他の犬を見ても「ワンちゃん」。
「じゃすみん」という名前を教えると、
他の犬を見ても「じゃすみん」と
呼んじゃうんだって。
*
色や大きさ、模様ではなく、
「形」を優先する。
だから、ガラスのコップを
はじめてコップとして覚えた子は、
プラスチック製でも、
絵柄が変わっても、それを
コップと認識するらしい。
(まあ、モノの程度と個人差も
あると思うけれど。)
「おつきさま」という言葉を
覚えた子がグレープフルーツや、
レモンの輪切り、丸い掛け時計、
クロワッサン、光があたって
きらきらする葉っぱも、
「おつきさま」と呼ぶようなことも
あるんだって。
外に積もっている雪を見ながら
「雪だよ」と教えると、
床に落ちたタオルや、
こぼれたミルクを見ても、
「雪」ということも。
*
形の類似を同じ名前で呼ぶ。
まるければボール。
マンホールもボール。
スイカもボール。
「朝、空でぴかぴか
光っているボール」
というと、太陽のことかな?
みたいな。
名前を知らないがゆえに、
生まれる表現がある。
それは形の類似から、代用の言葉を
持ってくるので、
意図せず比喩として、
詩的なイメージを持つこともある。
でも、正しい名称を
知っている人からすれば、
伝わりにくい表現。
この「伝わりにくい表現」こそ
じつは、なぞなぞの真骨頂。
*
「なぞなぞあそびうた」(角野栄子著)
やせっぽっちの
おおきなスカート
にわじゅう くるくる
うごきまわる
「かみくずさん
どいてちょうだい」
「おちばさん
どいてちょうだい」
=ほうき
ちくりとひとこえ
こどもを なかす
わるいやつ
こどもを なおす
えらいやつ
=注射
くろい カーテンが
ひろがります
あなたの まちに
あなたの いえに
あなたの まどに
あおい ひとみに
あおい カーテンに
しずかに おやすみ
いたしましょう
=夜
2019/07/11