worksは8/24に更新しました.

ちゅっ!

たまたま手に取った本が、
なぜか今、考えていることとリンク
していることがあって、
「あれ、これは運命の出会い?」
と思ったりすることがたまにある。
 
実際それは、ぜんぜん運命とかではなくて、
直近もっている関心ごとがあると
大抵は関連して見ちゃう現象。
 
最初に読んだときは、
大したことないなと思った本も、
ある視点をもって改めてみると、
あ、これはすごい。
と思えることがある。
 
そんな現象に、さっきあったのが、
韓国の絵本「ちゅっ!
チョン・ホソン作
 
2歳くらいの女の子が
ぬいぐるみや、ふうせんや、
犬や毛布や本に、ところかまわず
「ちゅっ」とする。
 
ひたすら、ちゅってするっていう。
展開としては、ただそれだけの本。
 

 
これのなにが、すごくて、
どういう関心と符合したのか、というのは、
大人の場合と比較すると分かる。
 
大人になると、対象を確認するのに
目ですます。
 
肌触りがよくて、いい匂いがすれば、
手で触ったり、におったりするけど、
ガラス窓とか、ガードレールとか、
あんまりキレイとはいえないものは
なるべく見ることで満足する。
 
ガードレールの形を口で確かめたい、
味を確認してみたい、など
食べ物以外で、口で触ったり
味を見てみることなんて、
「ほとんど」しない。
 
要するに、大人になると
モノを認識するのは目で、
重さや質感を認識するには手で
音は耳で、味は舌。
 
と五感をそれぞれの器官に
分断してとらえている。
 
けれど、もっと
いろんな器官で、さまざまな五感を
感じてもいいんじゃないか。
と思ったりする。
 
というのも、
「目の見えない人は
世界をどうみているか」(光文社文庫)
伊藤亜紗著
 
という本の中の、
目の見えない人は、目の見えない分、
耳や触感で空間を認識している。
のところが
目からうろこだった。
 

 
赤ちゃんの頃っていうのは
とくに器官の役割が曖昧らしい。
 
手で触るように、
目で形を確かめるように
その代わりに唇でちゅっとする。
 
この世の新しい分かり方。
あるいは取り入れ方。
 
これを変えてみると、面白い身体体験が
できそうだ、と夢想中。

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