worksは8/24に更新しました.

こんちきしょう

聞いたことあるけど
読んだことない作家はたくさんいる。
 
マーク・トゥエインや
ジュール・ヴェルヌ、
スティーブンスン、
トールキン、リンドグレーン。
じつはこれ全部、岩波少年文庫から
出ている作家なんだけど、
ケストナーもその一人でした。
 
いくら有名だからって必ずしも
自分が面白がれるかどうかは分からない、
というものぐさから、
なかなか手が出なかったのですが、
ふとした拍子で
ケストナーの「ふたりのロッテ」を
読んでみたら面白くて、
一気に読み切ってしまった。
 
これまたふとした拍子に
同じ著者の「サーカスの小人」を
読んでみて、ああやっぱり面白い。
 
夕方の家217
 
駅のホームで読みながら、
突然笑いがこみあげてくる。
 
困ってしまう。
困ってしまうくらい面白い。
 

 
「サーカスの小人」にサーカスの動物たちと
人間が入れ替わってしまう、
という妄想シーンがある。
 
そこでは、ライオンがむちをとり、
奇術師が火の輪くぐりをさせられる。
 
ゆっくりと檻から出てきた奇術師に
ライオンがむちをならすと、彼は
「こんちきしょう」とどなる。
 
本来ならライオンの「ガオー」なのだけど…
そうか、あのガオーを翻訳すると
「こんちきしょう」と言ってるのか!
 
ここで笑いを必死に抑える。
本で顔をおおう。
しばらくして、本を離し
続きを読む。
 
「ライオンはもう一度むちをならす。
ぼく(奇術師)は台によじのぼり、
こんちきしょう、とくりかえす。」
(引用)
 
あれは、誰に向けた怒りなのか。
「こんちきしょう」という間の抜けた
台詞はもう最高だし、
酔っぱらいの滑稽な様子に思えて、
おかしくてたまらない。
 
早く続きを読もう。
 

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