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赤ちゃんの解釈

季節の変わり目はとても気持ちがいい。
風がいい匂いになる。
 
異国にきたような気分になれる。
実際、モンスーンというのは、
その名のとおり季節風というだけあって、
季節ごとに海を渡ってきているはずである。
 
地面は動かないが、大気は動く。
自分が同じ場所にいても、匂いは向こうから
旅してきてくれる。こちらの手間が省ける。
これは便利だ。
 
しかし、と思う。
モンスーンという単語は知っていても、
それが具体的にどこをどういう経緯で
やってきているのか。
いま、じぶんが吸っている空気は、
どこにあったものなのか。
まったく知らない。
 
絵本なんかでも、
「風はどこからふくの?」という題材はあって、
でも、具体性に欠ける。
そりゃあ、そうだ。一般論に局所的な話はしにくい。
だって、ぼくの知りたいのは、
自分の住んでいるところに限っての話なんだから。
 
そこで「風はなぜ吹くのか、
どこからやってくるのか」(ベレ出版)
という本をみつけて、読んでいる。
 
これはとても面白い。
初心者の自分にも、わかるように書いてくれている。
こと細かく、丁寧に順を追っているので、
自分の地域に当てはめて考えてみることもできる。
 
読んでいて、ふむふむ、と思う。
気圧の変化が、太陽熱の吸収と放射が、
温度による飽和水蒸気の量が…、
頭のなかではぼんやりと、あいまいなイメージが
よろよろと形づくられているような
気がしてくる。
 
なるほどなと。
しかし、それを人に説明しようとなると、
さっぱり、わからなくなる。
あたまの中でイメージの整理がついていない。
 
もう少し、読みこんでみたい。
話はそれからだ、なんてことを思う。
 

 
ところで、詩人というものはすごい。
 
科学の話を理解するのに、
複数の現象を把握して、リンクさせて、
動きのイメージを容易に再生できるように
なるまでに、積み重ね、が必要である。
 
そういうところへ、
まどみちおという人は、
こんなものを書いている。
 
(以下引用)
 
あかちゃん
 
なんで こんなにうれしいのか
テレビのコマーシャルにでる
一しゅんの あかちゃんが
かわいいとこえあげさせるのが
一しゅんとはいえ なんどかみていると
なじんできて きやすいはずなのに
どうも まぶしい…
とおもって ハットきがついた
だっこされてるんだ かみさまに!
…(以下略)
 
おお、かみさま、か、と思う。
 
解釈の達人だと思う。
ぼくはこういう達人の解釈としての詩が
好きだ。
 
科学の話をどれだけ理解しようとしても
最終的に、イメージの解釈ができないと、
どうも人に伝えずらい。
 
詩は、途中のブラックボックス的思考を経て、
ある明快な真実に近づくことができる。
これが、なぞにすごい。
 
「風はなぜ吹くのか、どこからやってくるのか」
を読んだあとの、赤ちゃんはかみさまのだっこ
ときたら、ちょっとショック。

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