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今回の実験「あたらしいロゴをかおもじサインにしてみました」

詩になるクイズ

俳句には「とりあわせ」という
考え方がある。
ある単語(季語)に、もうひとつ、
一見関係のなさそうな言葉を組み合わせて
俳句にする、という手法。
 
たとえば
「ところどころに力こぶ」
という文章があったとき、
どんな単語をつけると効果を生むか。
 
…なんてことを考える。
 
土肥あき子「夜のぶらんこ」からの
引用で、この場合は
「芋虫」としている。
 
「芋虫のところどころに力瘤」
 

 
一つの俳句から、
モチーフ(季語)と装飾語に分ける事を
ぼくは勝手に「俳句の因数分解」と
呼んでいるんですが、
それって、場合によれば
クイズになるんです。
 
「ところどころに力こぶのできる
生き物ってなんだ?」
こたえは「芋虫」
 

 
クイズのクイズたる資質は、
答えの共感度がかぎりなく100%に
近いことである。
 
答えを聞いて「あ、なるほど」と思えるものが
クイズの答えであるべき姿。
 

 
逆に考えると、クイズだって詩になる
可能性がある、ということになる。
 
谷川俊太郎「詩ってなんだろう」
柳田國男「なぞとことわざ」から
詩になりそうなクイズを引用してみます。
 
「深い谷間から、
ふえをふいて出てくるものは?」
 
この答えをタイトルとして、
表記すると、このクイズはとたんに
詩のような顔をする。
 
「おなら」
深い谷間から、ふえをふいて出てくる
 
…じわじわくるものがある。
 

 
しかし、この答(あるいはタイトル)を
「田舎の笛吹少年」とすると、どうだろう。
とたんにイメージの広がりが失われる。
 
あまりにお互いのイメージが近しいので
面白さがない。
とりあわせ、とは関係のなさそうなものが
つながるから、脳内で
ぱちんとイメージの火がはぜる。
 

 
「まんなかに黄色い川が流れてる
美しい白い山はなんだ。」
 
これも、仮にゴッホの絵とかいうと、
あー、そんなのがあるんだーと
思うに留まるが(実際は無いと思うけど)
「たまご」というタイトルをつけると
詩になる。
 

 
「若いとき白髪で、
年をとって黒くなるもの」。
これに、医療界における新しい症例。
とすると、イメージはつまらない。
ところが「筆」とすると
これもまた詩になる。
 

 
「寒くなるほどあつくなるもの」。
これも自販機の缶コーヒー。と答えるか、
「雪国の氷」だというかで
大分印象が変わる。
 

 
この「とりあわせ」効果ってとても
面白い。
特にクイズを詩としてみるのが、
ぼくには余計に面白く感じる。
 
詩の言葉というのは、
普段使う言い方とは少し違うし、
もしかすると、個人的な主観や
経験、技術に理解は依拠するかもしれない。
 
でもクイズは、誰もがわかる、
意外なとりあわせである。
 
要するに、誰もが「なるほど」と
面白がれる詩の表現になる。
小学生向けに考えてみたい。

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