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今回の実験「あたらしいロゴをかおもじサインにしてみました」

観察の愛

「ピーターラビットからの手紙」
(求龍堂グラフィックス)を眺めていると
イギリスの湖水地方に
足を踏み入れたような気がして、
うれしくなります。
 
湖水地方はビアトリクス・ポターが
ピーターラビットを描いた場所として
有名なのだそうです。
 

 
初めて訪れたのは、彼女が16才のとき。
うつくしい自然景観と
野生生物の豊富さに狂喜した、と
この本には書いてありました。
 
絵を描くことが好きだった彼女は、
スケッチをすることで野生の小動物や
植物と近づいていきました。
 
「絵を描くと対象を深く観察することに
なり、いろいろ観察を重ね、
比較してみていくと、
生物学的疑問もできてきて、観察は
ますます専門的になりました。」
(「ピーターラビットからの手紙」
より引用)
 
ここに感銘を受けました。
彼女は、自然との対話を通して
自己の内面的な空想には入り込まず、
あくまで「観察」という立場を
ゆるがすことはなかったのです。
 
モーリス・センダックも
ビアトリクス・ポターの日記について
同じようなことを書いていました。
 
「彼女が動物のことを語るとき、
そこには率直さ以外の何物もなく、
ときには無情でありながら
常に動物に夢中で、
そのくせセンチメンタルなところは
微塵もないということ…」
(「センダックの絵本論」より引用)
 
自分の感傷から生まれるような、
あるいは安易な想像とはちがって、
事実を描いているので、
ほんとうに図鑑に載せても良い
くらいの説得力があります。
 
どうじに、
落ち葉のしたで茸の小人たちが
歌ったりお辞儀をしたり踊ったりして
笛を吹くような声を出している、
といったことも日記に書いています。
 
観察と想像が互いに呼応し
結びついている。
野生の生き物たちに対する愛情が
こういう感受性を
生んだのかもしれません。
 
「想像力も事実のひとつ」として
いるかのようです。
 
…前置きだけで
長くなってしまったので、
本題のつづきは次回。
 

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