ことばのロボットいろはちゃん 更新2020/8/5

見た目あっさり、味は濃厚

頭の体操」(多湖 輝)という本が、
小学生の頃のぼくの愛読書で
何十巻とシリーズが出ている
謎解きパズルを集めた本。

1970年代あたりから大変な
ベストセラーだったらしく
ぼくの小学生当時(90年代)には
古本屋に行くとちらほら100円で
売っていたので、
友だちがマンガコーナーに行くところを
ぼくは雑多な文庫が並ぶ書棚で
カッパブックスのロゴマークを
目印に探すということを
よくしていた記憶がある。

問題はこんなもの。
(記憶を頼りに書いているので、
正確ではないのと、何巻に掲載されているかは
忘れました。)

「とある町では、毎日のように事件が
起きていました。
そのため、町の新聞社はネタに困ることがなく
部数も売れ行きを伸ばしていました。

ところが、ある日、まったく
なんの事件も起きない一日がありました。

新聞のネタもなく、さぞ困っただろうと
人々は思ったのですが、
翌日の朝には、いつも通り
大きなトピックスとともに新聞は発行され、
売り上げもいつもより伸びたくらい。

さて、どんな記事が書かれたのでしょうか?」

というような問題。

答えは、「なんの事件も起きなかった」
という事自体がその町にとっては
大きな事件で、トピックとして扱われた。

でした。

ということで、この作文も
書くことがないときは、
「書くことがない」というネタが
書けるんですね。

それだけじゃ、さすがに
物足りないので、
一冊、絵の参考にした絵本を紹介。
絵については作文に書きようがないと
思って普段は描かないんだけど、
書こう。

なぜなら、他に書くことが
見当たらないから。

「ammy’s three best things」
(ひとりでおとまりしたよるに)

作がフィリパ・ピアス。
イギリスの文学者。
「トムは真夜中の庭で」の人。

リアルとファンタジー(SF?)を
見事に混ぜて描くという印象が
あって、
この絵本も「ひとりでのお泊り」の
不安を克服するのに
ファンタジー的な妄想が
膨らむというお話。

そして、この人の娘の旦那の母親が、
ヘレン・クレイグ。
この絵本の絵をつけた人。

つまり、ふたりは共通の孫がいる、
おばあちゃん同士。

この物語は、
主人公の女の子が、おばあちゃんちに
一人で3日間お泊りする、という話。

どう考えても、
孫へのラブレター。

つまり、実際に身近なモデルが
風景(近所の地理)、家の様式、
人物、服装、ペット、
家の中にあるカーテンや小物など
に反映されているにちがいない。

絵として、ぼくが心惹かれたのは、
空白が多いページでも、
絵としての面白さがしっかり
あるということ。

お母さんと、娘が話しているシーンで、
アマゾンの画像にそのページがあります
ベッドから崩れた毛布をお母さんが
整えようと持ち上げるんだけど、
毛布とベッドの間に偶然できた
テントのような空間が描かれて
(それだけでも十分面白いが)
そこに、隠れていた犬がいたり、
クマの人形はちゃんとベッドの枕に
寝かされていたり、
(あなたはお気に入りのお人形を
自分のベッドの枕に寝かせたことは
あるだろうか?ぼくはある。
ぽっと気持ちが温もるよ)
奥の暖炉の上にバレリーナの人形が
置いてあったり…

非常にあっさりしたページなのに、
実はものすごい情報量がある。

現象としては些細なんだけど、
そこに現実のモデルが把握されている
という裏付けを感じるので、
見た目あっさり、味は濃厚なのです。
しっかり味わえる濃さが絵にある。

大人になると、
見た目あっさりだと、味もあっさりだろうと
推測して通り過ぎるが、
子供はおそらく、
しっかり絵を「なめまわす」ように見る。
だから、見た目があっさりでも、
しっかり濃厚をあじわう。きっと。

そんな絵を描きたいな、
というモチベが、最近
頭をもたげてきています。

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