ことばのロボットいろはちゃん 更新2020/8/5

補集合の世界

朝起きて、ぼーっとしながら、
天井を眺めていることが
よくあります。

壁と天井の境目にある
木のふち(廻り縁というようです)を
じっと見てから、
少しだけ目を閉じて、
今度は白い壁をみつめると
さっきの廻り縁らしき影が
ぼんやりと残像となって見える。

錯視だ、と思う。

このときに思うのが、
自分は「自分の体」という性能でしか、
まわりを感じることができないんだなと。

そもそも、
自分が見ていると思っているものが
まるごと全て錯視だった、なんてことが
あるかもしれないし。ちょっと怖いけど。

人間って不思議で
錯視(や精神的な気持ち等も含む)のように
ないものをあるように見たり、
逆に、あるのに五感からシャットアウト
されていることもたくさんある。

人の性能では見ることができない
紫外線や赤外線、また通信電波が
目に見えたら
また世界は違った景色を
ぼくに与えてくれるんだろうな。

つまり、ぼくたちは
人間の性能の範囲内でしか
周りを見ることができないんだな、
ということ。

人が認識できるとか、
できないとかに関わらず、
存在するすべてのものを
客観的な「環境」という言い方をすれば

ぼくが五感で感じているのは、
その中のほんの一部分、
ということなんだろうなと思います。

さて、ここで、数学の話。

「全体集合」と「補集合」という
概念について。

ここに「1,2,3,4,5,6」
という数字が集まったパズルがあります。

6つの全てのピースがそろって、
完成した状態を「全体集合U」と
呼ぶことにします。

パズルの一部に、
「赤い絵」が描かれた箇所があります。

赤い絵の箇所には「1,3,5」という
3つのピースがはまっています。
なので、この赤い3つのピースを
「集合A」と呼ぶことにします。

それ以外の緑の部分は、
「絵が描いていないピース」とします。

赤い絵の「集合A」ピースだけでも
主役の絵は見えているので、
まあ、見れないことはないのですが、
完成とは言いがたい。

完成させるためには、
「絵が描いていないピース」で
余白を補完させる必要があります。

…ということで、
絵が描いていないピースのことを
「Aのための集合」と呼ぶことにします。

ここでまとめると、
「全体集合U」は、
「集合A」と「Aの補集合」で
できている、ということになります。

以上、集合、補集合の説明でした。

この概念が、どんな公式とか計算方法に
用いられるのか、とか、
具体的にどういう場で実用されるか、
まったく理解していません。

だけど、この考え方は、
さっきの、
「客観的に見た環境」と、
「自分の体のスペック」と「それ以外」
の関係と一致するなと思ったんです。

世界のぜんぶ(客観的な環境)は、
私たちが感じている感覚の集合と、
それ以外の補集合でできている。

「それ以外の補集合」というのは、
人間には感じられないし、
みえないけど、そこにあるもの、
というモノや現象。

たとえば、
気圧とか、月や太陽からの重力とか、
紫外線、赤外線、電波、
地球の回転の速度とか、
自分の神経系や内臓の働きとか…

こういうものが、
人が認識している集合ではない
「補集合の世界」だと思っていまして。

そこに視点をあてると
まるで魔法のような現実離れした
イメージがひそんでいるような
気がしているんですよね。

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