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蒸気機関的少女

京急線のホームを歩いていると
後ろから子どもが追い抜いてきた。
 
おだんご頭をきゅっと結んで、
腕を限界までまくり上げている。
次期小学生といった女の子。
 
自分とおなじくらいの大きさの
キャリーバッグを引きながら
ぐいぐい歩いて行く。
 
階段のところまでくると、
後ろからおかあさんが走ってきて
さすがに危ないというふうに
キャリーバッグを持ってあげようとするが
女の子は、あたしがやると叫ぶ。
 
じゃあふたりで持ちましょう、
というやりとりで
しぶしぶ片手を離すけれど
やっぱり誰よりも先んじて
階段を降りようとする。
 
腕も足も細いのに、
中身だけは蒸気機関で出来ているような
猛烈な印象がありました。
 
本はどこだ195
 
ちょっと気分が落ち込む時、
たとえば本屋でこんなことがある。
 
お母さんと思しき人が
「もう行くよ」と横の息子を呼ぶが
「この本どこにあったか
わからなくなった」と
ぐずぐずしているのをみて
「早くしなさい、だからあんたは…」と叱る。
 
隣で一部始終を聞いていたぼくも
そろそろ出ようと思って
本を戻そうとすると、それが
どこ棚の、どの本の横にあったものか
分からなくなり、ぞっとして、
さっき聞いたお説教が
まるごと自分に返ってくるようで
もうだめだ、と思うことがあった。
 
そんな時に、あの女の子を思い出す。
心が蒸気機関の熱気みたいに
勢いよく前に進んでいくところを
想像すると、
やっとなんとか気もちが
持ちこたえそうな気がする。
 

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