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聞きたいのは話の続き

今回は短めに。
話の面白くさせる簡単な技を紹介しましょう。
 
といっても、自分もこないだ気が付いたばかりで、
実践できていないんだけど。
 
これは簡単で、
ひとつ自分の話したいことを簡潔に
語り終えた後に、
この一言を付け足すのである。
 
「この話には続きがあって…」
あるいは、
「これには後日談があってね…」
というのである。
 
もともと、怪談話でよく使われる定跡なのだけど、
心霊とか怖い話って、不可解なことが
不可解なまま終わることがある。
 
ちょっとした不明瞭な気持ち悪さを残す、
ということが怖さに合う調味料のような
ものだと思う。
 
さて、そこへ、
「この話には続きがあって…」
なんて言われたら、前のめりになってしまう。
聞きたい聞きたい、となってしまうではないか。
 

 
タクシーに女を乗せて、目的地である
住宅街に着いたが、消えてしまった。
 
という話があったとする。
怖さ、としてはそれで充分である。
 
だけど、そこまで聞くと
その女はなんだったのか、
なぜ、住宅街で消えたのか、
その目的はなんだったのか。
背景が気になってくる。
 
「この話には続きがあって」
と、こうくるのである。
 
女が消えて、しばらく動けなかったが、
ふと前の家を見ると提灯が下がっている。
通夜だ。
 
暑い夏で、窓も開いていたので
よく見えたのだが、祭壇にみえた写真は、
さっきまで乗せていた女と同じ顔だった。
 
きっと事故にあってから、家に帰れずに
成仏もしきれなかったのだろう。
 
そして、このタクシーでやっと帰ってこれたのだ。
そう思うと、写真の顔もすこし、
和やかにみえた。
 

 
「この話の続き」には、ずいぶん興味深い背景が
あるものだと思う。

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