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納得するためのおとぎ話

チェコの作家カレル・チャペックの
チャペックの犬と猫のお話』に
「テリアはなぜ地面を掘るのか」という
話が出てきます。
 
チャペック氏が愛犬のダーシェンカを
写真に撮るために
じっと座らせておきたくて、
ダーシャちゃんにおとぎ話を
聞かせてやります。
 
「いい子でお座り、ダーシェンカ、
動き回らないでね、ピントを合わせて
シャッターを切るだけだから、
すぐに済むよ。
その間に、何かお話を聞かせてあげよう。
テリアはなぜ地面を掘るのか、という
お話にしようかな。」
 
という書き出しから始まります。
 
乳母車のり127
 
…園芸にも、ただならぬ関心をもつ
チャペック氏の大切な花壇を、
子犬たちは
無心になって掘り返してしまう。
 
これはなぜか(かいつまむと)
フォックス・テリアの祖先が
ずっと昔、タタール人との戦いで
名誉ある勇敢なしっぽを
切り落とされてしまったのだが、
テリアたちは、未だにこのしっぽを
探して地面を掘るのだ、
というのです。
 

 
そもそも、本能的な衝動には
理由なんてないのかもしれないけど、
彼はダーシェンカのために、作り話を
こしらえた。
ひょっとすると、花壇を
掘り返してしまう残酷なテリアたちを
許してあげられるように、
チャペック氏は自分で
納得したかったのかもしれない。
 

 
「どうして今、自分はこんなことを
してるんだろう」という疑問は
犬ばかりではなくて、
人間にも同じように湧くものです。
 
やっぱり、そもそも理由なんて
本当は無くて、
とにかくやるしかない、という
ものなのかもしれないけど、
時どき自分を説得するとか、
納得させるために、
いろいろと過去を振り返ったり、
身の回りを観察したりして
証拠物件を探しそうとします。
 
(ダーシェンカの話を読むと)
ああ、そういうのも、結局は
おとぎ話を作るようなことなんだなあ
と思ったりします。
 
現実にあるものを切り貼りして
いいおとぎ話をこしらえたいものです。

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