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特技はダルそうな顔

たしか、さくらももこの「コジコジ」
だったと思うけど、
ハレハレ君という人見知りの男の子が
いて、ときどき思い出す。
 
話が進むと、ジョニー君という、
ブルガリア人と無二の親友になる。
(あるいはそれ以上?)
 
だけども、一巻当初は
仲のよい友達もできなくて、
ぎこちない自分を戒めるように
笑顔の練習をするシーンがある。
 
誰もいないことを確認して
にこっ、と笑ってみる。
…これはぼくにも経験がある。
 
しかし今やアイドルを筆頭に、
最近の世の女子たちは
スマホを前にして
いともかんたんに「にこっ」とする。
 
仰ぎ見てしまう。
恐れ入りました。
 
といって、僕も笑わないわけではない。
ちゃんと面白いことがあれば
笑う。
 
例えば、
どうでもよいことを
思い出し笑いしたり、
企てたいたずらが成就して
ほくそえんだり、
気心の知れた相手であれば
そういう、自然な笑いはもちろん
できるのではあるが、
なんにもないところで、
突然にこっとしてくれ
と言われても困る。
 
写真なんかはそうで、
なんにも面白いことがないのに、
笑ってー、っていうのは
僕からすれば無茶ぶりにも程がある。
 
わざとな笑顔なんてセコい。
ホントに笑ってほしいなら、
冗談のひとつでも言って笑わしてみな!
…という気分になる。
 
*
 
どうして、写真を撮るときに
笑顔にならなきゃならんのだ、
と考えていた中学三年の夏。
 
ぼくはコンビニでお洒落な雑誌を
読んでいた。
そこではっとした。
これだ!
生気の抜けた、ダルそうな顔で
写真に写ってるモデルがいる。
 
ファッションモデルは
なんでだか知らないけど、
全然楽しくなさそうなのに、
ちゃんとかっこいい。
 
ありゃ楽だよ。
とそれ以来高校に上がるくらいまで
写真には、ダルそうな顔で構えた。
 
今見ると、モデルどころか、
寝起きの顔だ。
なさけなくて背筋が凍る。
 
西村くん、なに?
体調悪いの?
と声をかけてくれた高校の先生の
気持ちが今になってよくわかる。
 
写真撮るときに笑わないのが
クールで格好良い、
という世の中にならないかな、
と今でも思う。

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