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残したくなるもの

100年前のフランスって、汚い。
たぶん全部がそうじゃないと思うけど、
ウジェーヌ•アジェという写真家の
パリの記録写真を眺めていると
廃墟みたいな建物がいっぱい出てくる。
とてもくたびれてる。
 
でも調度品や、窓からのぞく
テキスタイル模様などの装飾は
ものすごく細やかで美しい。
機械ではなくて職人の手が作ったのだ、
という心地よさがあります。
 
かごの歩き売りのおじさんや、
郵便配達夫、ヌガー売り、
マット打ち直し工、
公園での芝居を見入る子どもたち
などのポートレートもあって、
服装も、なんとなくよれよれだけど、
かわいくておしゃれ。
「みんなが衣装を着ている」というと
変だけど、そういう感じ。
 
出航手配028
 
建物の壁が灰色にくすんでるとか、
教会の石段がくずれてるとか、
空き地にゴミが散乱しているとか、
屋根がつぎはぎだらけ、とか
そういうのも含めて、
当時日常的に使われているものが、
現在の自分からみると
夢の世界のように見えてしまう。
 

 
ぼくの身の周りには
面白い物がなさすぎて、自分って
なんて貧困なんだろうと思う。
 
本屋に行かなきゃ面白いものがない、
とか、美術館にいかないと
美しいものがみれないとか、
自然とそう思ってしまう。
 
100年以上前に写真を撮ったアジェは、
自分が暮らしている当時のフランスを
やっぱり「残すべきもの」として
見ていたんだろうなと思う。
 
今のぼくのまわりには、反対に
早く壊した方がいいんじゃないか
というものが多い気がします。
 
あんまりこういう無責任なことを
言うと嫌われそうだけど、
集合住宅地とか、見るに耐えない
ビルとか家の近所にいっぱいある。
 
家もビルも壊して、
狭山丘陵の自然や公園を拡大して
あとは昔のようにたんぼが戻ったら、
ぼくも後世に残すつもりで、
スケッチしてみたくなるだろうな、
と思っています。思っているだけ。

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