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今回の実験「あたらしいロゴをかおもじサインにしてみました」

方言をいったりきたり

しゃべり言葉ってけっこう柔らかい。
 
街を散歩していると、
あんがと、よっしゃー、めっちゃ、
うま、やべー、
みたいな言葉がよく聞こえてくる。
 
辞書に載っているような言い方で
ちゃんと話す人の方が少ない気がする。
 
でも世の中の本や、絵本の文章をみると
たいてい「正しい言葉づかい」らしきものが
あって、
じっさいに、絵本のダミーを作っているとき、
普通の気分で書いた文章に対して
赤字がたくさん入ってかえってくることが
あって、その細かさに驚く。
 
あたかも、日本語には正しい使われ方が
あるかのうような、錯覚を生む。
 
でも、それが正しい言葉づかいがある、
という認識が間違っていて、
専門書語がある、絵本語がある、
ニュース語がある、と思う方がいい。
 
正しいただ一つの言葉づかい、などはない。
その場その場に応じた使い方はあるにせよ。
基本は伝わればいいのだから。
 
なので、本の中で使われる言葉は、
いわば「本の方言」と言っていいくらい。
 
しゃべり言葉では、テレビと芸人の普及によって
大阪のニュアンスをすこーしトッピングした
「東京の方言」が日夜進化を遂げている。
 
適した日本語といえば、
場所や、集団の主観で、変わるもの、
という基本を理解した方がいい。
 
だから、例えば出版界での言葉づかいの正しさを
覚えることは、ある意味、東北のズーズー弁を
覚えるのと同じである。と、考えてみたい。
 

 
ここで、井上ひさし「吉里吉里人」が
思い出される。
 
日本から突如独立宣言した東北のある地域。
今日からここは日本ではなく「吉里吉里国」だ、
という。
 
全部で二十八の章があるなかの
第二章から三章には言葉について書かれている。
 
独立した国になったのだから、
言葉も、日本語とは一線を画する
「吉里吉里語」を体系的にまとめよう、
というくだりがある。
 
夏目漱石の「坊ちゃん」や
川端康成の「雪国」などを
なんと「吉里吉里語」に翻訳している。
 
そして、日本人が「吉里吉里語」を
話せるための教本も本に細かく載っている。
 
おもしろいー!
 

 
日本語で「アイ」や「アエ」「オイ」の発音は
「エー」に。
「ウイ」は「イー」になる。
 
あいさつ→えーさづ
たかい→たけー
かえる→けーる
あたりまえ→あたりめー
におい→にえー
つよい→つゆぇー
スイカ→シーカ
あつい→あちぃ
 
こういうのは、ルールがあるから
面白いというのもあるけど、
もう無条件に面白い気がする。
 

 
ここで、あっと思う。
 
過去にことばの実験室でやった、
「したったちゃん」は、
「吉里吉里語」でやればよかった。
とおもった。
 
「吉里吉里語」は単語だけみても
一見なんの意味かさっぱりわからない。
 
だけど、文脈の中に配置すると
意味がわかる。
 
この意味の分かる度のバランスが
ちょうどいい。
 
ちなみにことばの実験室は、
ただいま新規実験を製作中。
 

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