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掃除はつづくよ

ここ一か月くらい上手に余裕がつくれず、
いろいろさぼっていた。
この作文も書きたいのにやらないでいた。
 
やらないでいた、といえば、
部屋の掃除もだいぶ怠っていた。
 
そこで落ち着いた日の夜に、
ちょっとほこりだけでも払おうと
ほうきではいて、部屋中をうろうろする。
 
すると今まで見えていなかった、端っこや
本棚の裏、ソファの下、トイレの床、
たこ足コンセントの下にほこりがこんもり
溜まっているのを目撃してしまう。
 
うわあ、これは、と思って、とる。
ティシュを濡らして軽くなでると
ほこりの塊はごそっととれる。
取り除くときれいになって、
あら、すてきと思う。
 
そうして、あっちこっちの隅々を巡っていくと、
そこそこ夜も更けて、
しかし、気持ちは軽くなる。
 

 
翌日、目が覚めると、朝日に照らされた床に
無数の細かいほこりがまたのさばっている。
 
ほうきでかき集めて、塵取りにのせると、
まだこんなにあったのか、と驚愕する。
昨日あんなに掃除したのに。どうなってるんだ。
 

 
いやまさかこれはドッキリじゃないか。
ぼくが寝ているときに、玄関の前でレポーターが、
ちょうど今朝取れた分だけのほこりを
忍ばせて、カメラの前でこういっている。
「おはようございます。いま、朝の4時30分です!」
もちろん小声。
 
「今回は、これ」といってほこりの入ったビンを取り出す。
ワイプに映る芸能人たちがきゃー、わー、とおののく。
「このほこりを、ふるいをつかってまいていきましょう」
「さ、スタッフさん、」
なぜかぼくの家の鍵を持っているスタッフが現れる。
「しずかに、しずかに!」興奮するレポーター。
 

 
朝、部屋に10か所も設置された
隠しカメラによって
起き抜けの自分が映される。
 
「はあ、なんでだよ」
寝癖が付いたまま信じられない様子で
床を確認して指でこすってみる。
舌打ちする自分。
そして、どっとウケるスタジオ。
 
「いたずらだって気付いてない気付いてない!」
別室でモニター映像を見ているレポーター。
徹夜とは思えないテンションの高さ。
 
しかたなく引き戸をあけてほうきを取り出す。
「あー!また掃いてる!掃いてますよ!
ま、じ、め、だ、なー。」
これで茶の間も大爆笑のはずだ。
 

 
しかし、現実はこうだ。
朝日の当たるところならわかるが、
ほうきで掃くと、大量のほこりの微粒子が
舞い上がる。塵取りで取れるのは
せいぜい70パーセントくらいがいいところ。
 
あとの30パーセントは空気中にしばらく滞在し、
寝ている間にしずしずと沈殿する。
 
そこで、出るほこりなのであった。
 
掃除とは終わらない。
掃除をしても、掃除をしても、
掃除はつづくのである。

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